いい店というのは厄介なもので、あの手この手で呑兵衛の気を惹いてくる。

近頃、筆者の心を揺らすのは焼鳥だ。それも、よくある精肉とかモツとかじゃなく、ちょっと珍しいところ。世に言う希少部位というやつなのだ。

まずはもの珍しさ、興味本位で食べてみたら、これが思いのほか口に合う。酒との相性も申し分なく、すぐにハマった。

ところで、この希少部位。鶏一羽から少量しか採れないので、串一本を完成させるのに何羽もの鶏が要るそうな。その上、手間と時間がかかるので、この手のメニューは毎日少しずつしか店に出せないという事情がある。

そういう意味でも希少なため、売り切れという憂き目に遭うことしばしば。なので、いつも席に着くなり「あれ、ある?」と尋ねるうち、いつしか店の方から「今日あれ、ありますよ」と。

店の勧め上手に、その気がなくてもつい「もらおうか」と呑気な自分であるが、似たような呑兵衛は希少ではないと思う。

コタさん(フリーライター、きき酒師)

やきとりのたれを発売するなど進化を続けるぎんねこ。店のメニューも革新的だ。
店長の肝入りでメニュー化されたのは
①えりまき
首まわりの肉と軟骨。首に因んで命名

②えんがわ
若鶏の砂肝の端の薄い部分。身の端を魚に例えて命名

③そろばん
親鳥の砂肝を並べてみたら「そろばん」に見えたそうな

④梅しそ焼き
希少部位ではないが筆者のオススメをついでに。

少量生産の上、人気があるのでこれも売切御免だ。