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年男ライナー編集長

イノシシを感じる旅

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ライナー編集長 秋野幸嗣

新年あけましておめでとうございます。平成が終わり、2019年からは新元号の時代が始まります。そして、ライナーは創刊35年。ついでに、私事ですが48歳の年男。社会的にも、ライナー的にも、個人的にも節目の年です。世の中大きく変化しているように、私たちが暮らす街や生活スタイルもずいぶんと様変わりしました。ライナーの紙面も時代と共に変化を続けていかなければなりません。昨年末、創刊35年に何をすべきか、編集スタッフで話し合いました。テーブルにのった企画は100案近く。その中から、アイデアを膨らませたり、そぎ落としたり、合体させたりして残った企画案は次の通り。

タイトルだけ読んでも何のことか、さっぱり分からないものもありますが(8本中2本もカツ丼が入っていたり、内容が決まっていないものも多数)、まずは先陣を切って私が「イノシシを感じる旅」に出ます。落としどころをまったく決めていませんが、「やりきれば何かが見えてくるだろう」という愚直なイノシシ精神で体当たり取材です。

止まれない、曲がれないは本当?

昨年はイノシシが住宅街に迷い込み、子供たちの通学路や、民家の庭などで大暴れしたというニュースが世間をざわつかせました。動きが素早く、何かにぶつかるまでまっすぐ突き進む。「亥年生まれは猪突猛進、突進力がある」と子供のころよく親に言われましたが、これ褒め言葉のように聞こえて、実は「周りの状況を見ないで、無策のままひたすら動き回る」というネガティブな意味なんだそうです。

旭山動物園で邂逅

旭山動物園にいるイボイノシシのドゥニアくん。草原で敵から逃げるときにウリ坊たちの目印になるよう尻尾をピーンと立てます。旭山では一緒に飼育しているダチョウに追いかけられているときに、その様子が見られます

まずは実物のイノシシをじっくり観察しよう、ということで行って来ました旭山動物園。こちらにはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に生息するイボイノシシが飼育されています。日本のイノシシに比べて、ほおに突起があるぶん、凶暴そうに見えますが「人間を恐れて逃げる、とても神経質で警戒心の強い動物です」と飼育担当の田中さん。

短い脚と寸胴に似た体形ですが、100メートルを7秒弱で駆け抜ける運動能力の持ち主。そして猪突猛進で曲がれないというイメージは誤りで、実際には急停止して方向転換もできるそう。でも、ニュースを見るとあっちこっちに激突してますけど、「たぶん、怖くてパニックになっているんだと思います」(同園)。

ウリ坊超かわいい

イノシシの子のウリ坊

幼少期、生後5カ月くらいまではカラダに縞模様の体毛が生えていて、天敵(オオカミ)から身を守る保護色の役目をします。その模様が縞ウリに似ていることから、ウリ坊というラブリーな愛称が付けられました。ウリ坊といえば、旭川にそのまんまのネーミングの居酒屋さんがあります。なぜ、その屋号にしたのか、以前、取材した記事がこちら。



――オーナーの息子さんが亥年だったんですね。亥年にあやかって特別メニューなんか考えてみたら面白いんじゃないでしょうか。イノシシのから揚げとか、しゃぶしゃぶとか、ジンギスカン風の味付けとか、。ところで、イノシシ肉ってどんな味?

イノシシは脂を食す

イノシシの肩ロース肉

北海道には野生のイノシシが生息していないため、イノシシ料理を提供しているところは限られています。ネットで調べても旭川近郊ではヒットせず…、ようやく見つけたのがこちらのお店。南6条通17丁目の焼肉店「焼肉楼ばくだん」。同店で提供しているのは、カナダ産イノシシの肩ロース肉。脂身と赤身がキレイに分かれていて、少しサシの入ったイノシシ肉の中で最もうまいとされる部位です。軽く炙っていただくと、赤身は少し噛み応えがありますが、脂身は甘く上品な感じ。ジビエ特有の獣臭さはありません。「好きな人はクセになりますよ」と店主の西山さん。家畜化した豚の祖先であるイノシシ。その味は、豚よりも締まった赤身と、さっぱりとした脂が酒のアテにベストマッチ。飲兵衛さんにオススメです。

マイイノシシ作ってみた

「腰から太ももにかけての力強い筋肉が、うまく表現できたと思う」と自画自賛

だんだんイノシシが愛おしく思えてきたでしょ?最後は、7条買物公園のギャラリープルプルで12日(土)から始まる「だれでもアーティスト!!イノシシ展」に自作のイノシシのオブジェを出品してきました。動物園通りの模型店「ホビーショップてづか」の店長にアドバイスをもらい、紙粘土とアクリル絵の具で制作した作品がこちら。体高15センチ、体長30センチと結構な大きさになってしまいましたが、どうでしょう?2月20日までギャラリーで展示中ですので、ぜひご覧になってください。私の拙作以外にも、イノシシを題材にしたアート作品が多数並んでいて面白いですよ。

太古では生命力の象徴

北海道のエゾシカ同様、本州では田畑を荒らす害獣として駆除対象になっているイノシシ。ただ、旭山動物園のドゥニアくん(2015年生まれ)は人工飼育のためか人懐っこく、慣れているスタッフには犬のようにトコトコくっついて歩くこともあるそう。「見た目いかついのに案外繊細なところが女性にウケています。ギャップ萌えというやつでしょうか」と同園スタッフ。

何かと嫌われもののイノシシですが、日本では古来、神仏のお使いとして信仰の対象にもされてきました。とりわけ多産のイノシシは、豊穣の象徴として奉られていたのです。狩られても狩られても絶滅しない、人々はその生命力に価値を見出していたのかもしれません。平成の次の時代も、イノシシのようにしぶとく、たくましく、臆病なくらい慎重に生きていこうと強引な結びに持っていき、年男の旅を終わります。本年もよろしくお願いいたします。

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