旭川出身・鈴木監督の新作
映画ホコリと幻想12日公開

　高校卒業以来の帰郷で旭川の地を踏む、松野という男が主人公。東京でアーティストとして活躍してきたと自称する松野は、市が募集する木工モニュメント製作に没頭していきますが、何も進まず、次第に追い詰められ…。夢や挫折、絶望、狂気、救いなどを経て、再生へ向かう男の姿を追う物語です。

　松野を演じるのは、演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーで、テレビや映画などでも活躍する戸次重幸＝写真左＝。セリフが少ない、孤独でかっこ悪い男という難しい役回りを繊細に表現しています。そのほか、美波、遠藤要、内田朝陽、奥山佳恵、本田博太郎など個性派の俳優陣が脇を固めます。

　撮影は昨年4月に約2週間かけて、旭川で行われました。「主人公の心情とリンクさせるにはぴったりだと思い、雪解けのシーズンを狙いました。グレーな世界の中に感じる春の匂いを感じとってもらえるといいですね」と鈴木監督。旭橋、就実の丘、ロータリー、常磐公園など、市民に馴染みのある風景がスクリーンに登場します。脚本と編集も手がけた鈴木監督は「最初にイメージした着地点とは異なりますが、みんなで積み上げた納得のいく結果に仕上がりました。特に最後の10分は自分の中で闘った編集。見た方の反応が楽しみです」と期待を込めます。

　公開を記念して、11日(金)まで前売り券を特別価格の1260円で販売しています。取り扱いは、旭川観光物産情報センター(JR旭川駅東コンコース)と旭川総合観光情報センター(旭川市5ノ7旭川フードテラス2階)。12日午前10時の回は、主演の戸次重幸さんと鈴木監督の舞台挨拶がありますが、すでに事前予約で完売しています。