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- 今年のニューヨークコレクションでランウェイに登場した真糊糸目友禅(まのりいとめゆうぜん)の「若冲草花図」など、貴重な作品も展示しています
昭和41年創業、今年50周年を迎える呉服店「きもの すぎを」(旭川市8ノ9)が、「新作きものと作陶展」を開いています。美瑛町に窯をもつ皆空窯の南正剛・泉夫妻の作品と共にオリジナルの新作きものを展示し、普段とは一味違う空間を作り上げています。
二代目社長の杉尾和幸さんは熱心に各地の染元や織元を訪ね、職人の手仕事を間近に見、さらに本場の潮流を感じるため毎月のように京都に足を運んでいます。作品だけでなく生産者の思いも伝えたい、より良い文化を残したいと願う杉尾社長に共感するファンは多く、道内、さらには東京からの来客で店内は常に活気に溢れています。
店頭で扱う反物は、この20年、「自身の世界観にあった、しっかりと見定めた品だけを紹介したい」という強い思いから、すべての品を買い取り、仕入れしてきました。問屋任せの不明瞭な品を借り受けて販売、残りは返却する多くの展示会の手法からすると驚きですが、結果メーカーと繋がりが深まり、通常より安価に仕入れられたり、なにより手仕事の良さが伝わる貴重な反物を優先的に紹介してもらえたりとしっかりとした信頼関係が築かれています。
期間中店内には、杉尾さんの感性を盛り込みつつ極限まで無駄を省いた創作や、豪華な伝統柄が数多く並びます。そこに南さんの代表作、厳寒の美瑛で生まれた「氷裂」シリーズがニュアンスを添え、独特の世界観を生み出しています。「真に美しいものが減っている世の中で、納得のいく品を見つけ、得ることは非常に難しい。それでも心に響くものはたしかに存在します。今回は販売目的ではなく、わたしたちが感じる美のひとつの形として、着物と南夫妻の作品を見ていただきたいという思いが強いのです」と杉尾社長。熱意に溢れた言葉からは、美を求め愛する心、そして顧客への誠実な思いが伝わります。5月15日(日)まで。問い合わせはすぎを(☎0166-26-2575)へ。