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- 自宅の工房で刃物研ぎをする渡辺さん。趣味のパークゴルフは、今春すでに4回も行ったそう。「そこの草刈りもボランティアで私がやってるんだけどね」って、すごい元気だ
年度替わりの4月。卒業や就職などで、生活環境が変化した人も多いのではないでしょうか。定年退職も人生の大きな節目のひとつ。これからのセカンドライフ、どのように思い描いていますか?今年で開設37年を迎える公益社団法人・旭川市シルバー人材センター(旭川市春光町3639)で、高齢者の働き方について聞きました。
仕事が元気のもと
シルバー人材センターは、東京都の「高齢者事業団」を前身に昭和55年設立。現在、全国に1200団体、会員数は76万人を数えます。旭川では60歳~90歳まで930人が登録しており、草刈り、除雪、冬囲い、庭木のせん定、日曜大工、家事手伝い、子守り、パソコンや英会話教室まで、さまざまな業務を行っています。また昨年から派遣事業もスタートし、請負・委任契約ではできなかった働き方にも対応しています。
旭川市シルバー人材センターの就業最高齢会員、渡辺省一さん(89歳)は平成6年に登録。シルバー人材歴23年のベテランです。
「妻や息子からもう働く必要ないだろって言われるけど、家でじっとしていられない質でね」。現役時は鉄工所に勤務し、技術者として総合体育館や市民文化会館の基礎工事にも携わりました。手先が器用で、探究心おう盛。定年後に職業訓練校に通い、溶接や鉄工技能士など国の技能検定にも合格しました。趣味のパークゴルフには年間100回も行くなど、89歳とは思えないバイタリティーで「仕事が元気の源になっている」と話します。
会員数確保が課題
旭川の高齢化率(65歳以上)は昨年4月のデータで全国平均の27・5%より高い30・9%。少子高齢化が進む中、政府は「さらに多様な就業機会を提供する機能を発揮してもらう」とシルバー人材センターの役割に期待しています。
ただその一方で、全国的な傾向としてセンターの会員数の減少が課題となっています。企業の再雇用や定年の引き上げで、60歳以降も同じ職場で働き続ける人が増加していることが要因とみられています。
「短時間の軽易な仕事が基本で、働きたい時に無理なく働くことができるのが、シルバー人材センターの特徴。老後の生きがいづくりと自身の健康維持のため、気軽に登録してほしい」と同センターは話します。
団塊世代が70代となった現在。農作業や介護など人手が不足している分野を中心に、高齢者は今後ますます貴重な働き手として、働く現役世代や地域を下支えする存在になっていきそうです。
旭川市シルバー人材センターは、60歳以上の健康で働く意志のある会員を募集中です。また仕事の依頼も受け付けています。料金は、業務内容によって変わります。会員登録の手続き、仕事の依頼は同センター(電話0166・51・1600)へ。