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- 井上靖と親交の深かった東山魁夷の絵画
旭川生まれの作家・井上靖の愛蔵品の数々を紹介する展示が、井上靖記念館(旭川市春光5条7丁目)で開かれています。生誕110年を記念した企画展です。
大学で美術を専攻し、新聞記者時代には学芸部に所属していた井上靖は、芸術に造詣が深く、自宅の応接間に様々な美術工芸品を飾っていました。今回は同館が所蔵する9点の美術品と井上靖旧蔵の絵画1点を、長女の浦城いくよさんのエッセイとともに紹介しています。
著名な日本画家・東山魁夷の絵画は、短編集「桃李記」の表紙のために描かれました。絵画にタイトルはつけられていませんが、小説の世界観を表すように、翡翠(ひすい)色の背景に木や道のようなものを描いた清澄な日本画です。陶芸作家の河井寛次郎から普段使いにと贈られた茶碗は、もともとは夫婦茶碗で今は1点のみが現存します。花を思わせる独特のモチーフを描いたピンクがかった薄い小豆色の肉厚の椀は金継ぎの跡もあり、毎日の暮らしの中で大切に使われていたことがうかがえます。そのほか、ガンダーラの仏頭や漆工芸家の堂本漆軒の銘々盆などを展示しています。
「普段は館内の別室に再現した応接間・書斎で展示しているので遠くからしか見ることができませんが、今回は貴重な品々を間近に見られます」と同館の平野さん。7月9日(日)まで。開館は午前9時から午後5時。一般200円、高校生100円、中学生以下無料。
6月17日(土)午後1時半からは、井上靖の長男でドイツ文学者の井上修一さんが講演会を開きます。「王子と孤児・小説家井上靖の育てられ方」と題し、井上靖文学の原点となる幼少期について語ります。参加無料、申し込みが必要です。問い合わせは同館(電話0166・51・1188)へ。