内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
- 「旭川市は結婚したい市民を応援します!あさひかわ縁結びネットワークのホームページもぜひチェックしてみて」と市民生活課の大塚さん。事務局は、フィール旭川7階の旭川市結婚相談所内に設置しています
- 旭川市結婚相談所のボランティア相談員のみなさん。相談所の活動が評価され、昨年「北海道社会貢献賞」を受賞しました
出会いがない、きっかけがないと悩む全国の独身者が、結婚活動、いわゆる「婚活」で出会いの場を広げています。旭川市では昨年、市と民間、NPO法人などが協力し「縁結びネットワーク」を結成。総合的な婚活情報を発信する組織として活動を始めました。社会背景やネットワークの話題を中心に、旭川や周辺の婚活事情を取材しました。
いま多くの自治体で婚活事業が盛んになっている根底には、本格的な日本の人口減少があります。人口が減ると、経済活動が低下するなど都市機能が維持できなくなる問題があります。旭川市では人口減少を抑える取り組みとして、地域の実情に合った総合戦略を定めています。
その内容をごく簡単にまとめると、自然に恵まれた地域の特性を生かして拠点都市としての整備を進め、安定的な働き口を確保して経済不安を払拭する。誰もが安心して子育てができる環境を整えることで、ひいては出生数の増加につなげようというもの。「ただ、出生数を増やす大前提として、まずは婚姻率を上げる必要があります」と市民生活課の大塚義和さんは話します。一昨年の国勢調査によると生涯未婚率は過去最高、男性の4人に1人、女性では7人に1人と、結婚離れが進む現状が浮き彫りになりました。世に「草食系」なる言葉が生まれて10余年、結婚願望が薄い男女が増えているということでしょうか。
しかし一方で一昨年、市内に住む18歳から39歳までの男女に実施した「結婚観とワークライフバランスアンケート」によると、早く結婚したい、いずれ結婚したい人は全体の6割以上に達しています。なかでも早く結婚したいと答えた人のうち7割は交際相手がおらず、3割弱の人がこれから婚活をしてみたいと回答。市ではこの結果に力を得、「結婚を望みながらもなかなか実を結ばない人に支援を」と行動に出ました。
長所生かした縁結びネットワーク
昨年9月、市と結婚相談所、旭川NPOサポートセンター、旭川しんきん、旭川ケーブルテレビの5団体は「あさひかわ縁結びネットワーク」を結成しました。これまで単独で活動してきた各団体が手を結んで婚活情報を一元化。結婚相談所の所長、尾関邦子さんは「互いの強みを生かしあえる繋がり」と評価します。
たとえば相談所のスタッフは、相手に好印象を与えるために、来所者に対して身だしなみや話し方など、少し踏み込んだアドバイスをすることもあります。実はこうした自己PR力は婚活の場ではとくに重要でありながら、十分に発揮できない人が多い能力。それを受けてNPOサポートセンターでは今後、人をひきつけるトーク術やコミュニケーション力を学ぶ勉強会を開きます。
「多数が参加する婚活パーティーはいわば弱肉強食。上手にPRできない人が一段階昇るお手伝いをします」と話すのは、ネットワークの支援員で勉強会の講師も勤める麻生けんたろうさんです。市が主催するバスツアーでは、朗らかな麻生さんが司会に立ち、尾関さんらベテラン相談員がそばについて、参加者の自然な姿を引き出すようサポートしました。結果、11組中5組のカップルが成立。互いの強みを生かしあって、いつも以上の結果を残しました。
「活動を続けるうちに、近隣の自治体の方々とお話しする機会も増えました。みなさん様々に工夫されていて驚きます」と尾関さん。たとえば富良野市では昨年「出会い総合サポート室」を新設し、今秋にはマラソンとピクニックを合わせたマナックを予定しています。また剣淵町では、今年は少し心理的ハードルを下げた「恋活」を実施。牧歌的な雰囲気の中、サイクリングや野菜の収穫体験でふれあいを重ね、友達、恋人と順を追って親交を深められる雰囲気を作りました。「小さな町ですから、いつも女性からの応募には苦戦します。今年は少しアクティブな企画を盛り込みましたので、気軽に楽しんでいただけそう」と担当者。
「市では今後アンケートを実施して、婚活支援の具体的なニーズを活動に反映させていく予定です」と大塚さん。性別や年齢、家庭環境によって婚活を始める目的やタイミングは違うもの。けれど「どんなきっかけであれ、幸せになれればいいじゃない!」と話す尾関さんの笑顔が印象的でした。