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旭川市内近郊をてくてく歩いて、突撃取材!
真夏のまちなか、緑橋ビル商店街を散歩しました。
マルチスペースは1日1000円! お試し出店しませんか?
- 緑橋ビル商店街振興組合理事長 小林一仁さん
戦後、樺太などからの引揚者が闇市を開いていたこの一帯。強制撤去を迫られた店主らが結束して昭和29年に建てたのが緑橋ビルです。1号館と2号館に分かれ、1階は商店街、2階以上は事務所と住居が混在する「下駄ばき」で、当時は83もの商店が軒を連ねたといいます。今は30軒ほどまで数を減らしましたが、どのお店も驚くほどに個性的。建物全体で「緑橋ビル商店街」を形成しています。
いま2号館のマルチスペースにお試し出店してくれる人を募集しています。これまでに木工やレザークラフトの展示会や篆刻(てんこく)体験教室などを開きました。レンタル料は1日なんと1000円。街なかでワンデイイベントを開きたい方におすすめですよ。もちろんスケジュール次第で何日でもお貸しします!
- マルチスペースでは、7月29日は靴磨きイベント、30日には革小物の販売会を予定しています
すべてはお客様のため、研究時間は譲れない
- モノ作りには整理整頓は欠かせない!作業効率とエコを考えている店内
ここはもはや、ラーメン山頭火を全国の人気店に育て上げたオーナー畠中仁さんの「ラーメン実験室」。商品開発が大好きな畠中さん、携帯できるカップ入りや猫舌御用達のぬるめ、ちびっこやお年寄りにやさしい短麺など、儲け度外視のちょっとびっくりするようなメニューを次々投入してきます。
ところがお客さんで賑わいすぎて「新しいラーメンを開発できないから、今まで午後5時まで営業してたけど平日は午後3時までに、無休だったのを木曜定休にしたよ」。ほんと、根っからのラーメン好きなんだな~/<1号館>あさめし前田゛本舗電話0166・26・7567、平日10~15時(土日17時)、木曜定休
ガラスのプリズムきれいでしょ
姉妹で営む雑貨屋さん。妹のひろみさんが作るのは板や粒、パウダー状のガラスを溶かして組み合わせるフュージングの技法で、カエルや魚をモチーフに作ったお皿など。「もう30年くらい前だけど、妹は親に内緒でバイクで日本一周の旅に出たの。日本の最西端・与那国島まで到着して、しばらくそこで暮らしてたのよ…」と苦笑するお姉さん。なるほど、ひろみさんの作品に温かさと大らかさを感じるのは、南国の空気感をまとっているから?
もともとイラストを描いていたひろみさんですが、とんぼ玉作家の稲沢越子さんと出会って、ガラス作品に夢中になったのだとか。事前予約でガラスの小皿作り体験(2500円)も可能です/<1号館>手作りガラスと小物Prism電話0166・26・2711、10~19時、火曜定休
- ひろみさんのガラス作品のほか、道内9作家のハンドメイド品も置いています
永く愛したいなら、職人の技術に頼って
- 最近は古着屋さんで買った靴を修理に持ってくる若い子も多いね」と佐藤さん。足の形って、年齢とともに変わるんだって
イトーヨーカドーからこちらに移転しておよそ20年、革製品と靴の修理・加工の専門店です。とくに靴修理の技術は高く、「どんな靴も見るけど、ルブタンとかエルメスとかロッシとか、比較的高級な靴の修理を依頼されることが多いかな」とオーナーの佐藤静さん。洋服好きでファッション全般に興味があった佐藤さんは、若いころに靴修理の技術を知人から学び、独自に腕を磨いてきました。
「靴ひもがぼろぼろのまま使ってる人も多いけど、変えるとね、ばりっと印象良くなるよ」と、店頭で革の靴ひもも販売中。案外売っているところがないんですよね~/<1号館>マイスタースミス電話0166・25・2745、9時半~19時半、日祝定休
いい演劇が観たいし、観て欲しいじゃない?
- 道内の市民劇場4市の事務局長が集まって、観たい作品を2年前に決めるそう。すでに2019年のも決定しているんだって
「いい演劇が観られるのって、大都市の特権ってわけじゃない。でも地方で来るのを待っていても一生見られないかも…。だったら、チケットの売れ行きやお客さんの入りを心配せず役者さんたちに安心して来てもらえるよう、会費制の鑑賞会を作っちゃおう」と始まったのが市民劇場。旭川では1971年に設立、このシステムに賛同してくれる人を募りながら46年にわたって活動を続けてきました。多いときで3600人いた会員は、いま1400人。
- 事務局長鈴木さんと事務員の下吉誠人さん。ポスターの「蟹工船」は10月に上演されます
かつて盛んに行われていた学校公演が減ったことで演劇に触れる機会も減り、若い世代がなかなか入会に繋がらないのが悩みです。「映画もコンサートも好きだけど、生の役者が演じる演劇は格別。刺激的で心への届き方が深く、生きる励みにもなる。人間にはこういうものがあった方がいい」と事務局長の鈴木真理子さん。公演日には会員さんが裏方(舞台芸術の運搬など)や事務作業(チケットのもぎりなど)を手伝います。鑑賞後は役者さんと食事会もあり、そこでの裏トークもまた楽し/<1号館>旭川市民劇場事務局電話0166・23・1655、10~19時、土日祝定休
教えあいっこ♡編むマダムむんむん
- 昭和の女子たちは、好きな男子に手編みのセーターをプレゼントするのが流儀でした。「クリスマス前は夜中までかかって頑張る女子高生がいっぱいいたわよね~」とたか子さん
- 「遠くに住んでるひ孫に編んだのよ~」「私はカラオケ発表会で着るんだわ~」と、女子トークも止まらない!
扉を開けると壁一面の毛糸。その中心で輪になって、70~80代のマダムたちが一心に編み物に取り組んでいます。「うちで毛糸を買ってくれた人たちが自然と集まるようになって」と店主の神代たか子さん。
編み方がわからないと丁寧にアドバイスをくれるたか子さんですが、「きょうは大ベテランたちだから」と月曜マダム陣には放任スタイル。中には30年以上も通っている人も!「みんな2~3ヶ月で一着編んじゃうのよ。着るためじゃなくて、とにかく編むのが楽しいのよね」/<2号館>ニットハウスてるみ電話0166・22・0880、10~18時半、無休
キズもくすみも味になるから
- ジッポを買うと、ネームの刻印1行分をサービスしてくれます。自分用はもちろん、プレゼントにと買っていく女性のお客さんも多いそう
ジッポやシルバーアクセサリー、レザー製品のお店と聞くとちょっとハードなイメージですが、オーナーは意外にも上品な女性の花岡かおりさんです。喫煙家時代に自身も愛用していたというジッポの魅力を聞くと、「キズもくすみも味になる。壊れにくいから愛着を持って使えるところかな。たくさん売れる時代ではなくなってしまったけど、好きだから数は減らしたくないんです」だって。今は手に入らない貴重なモデルも多数展示し、店内はどことなくアートな雰囲気/<2号館>ZIPPO専門タイムラグ電話0166・21・2300、10時半~17時半、火水定休
箱箱箱、これぜーんぶ靴なんです
- あまりの棚のぎっしり感に上手く写真に収め切れませんが(汗)、同一モデルのサイズ違いを揃えているというのだから推して知るべし
- シューフィッターの資格を持つ店長・中塚志保さんがお店に立つときは、有線でサザンオールスターズがエンドレス♪
お店に出ている靴は氷山の一角。ここハッシュパピーをはじめ、本店のミッキー靴店ほか各支店の在庫もすべて、このビルの2階、実に4区画分の部屋を使って保管・一元管理しています!
各店からの一報が入るやいなや、常駐する3人のスタッフが全商品を掲載した台帳から目的の一足のありかを確認、すぐさま保管棚の中から発掘して各店へ届けに走るシステム。「先代から続くやり方なんだ。アナログな人力だけど、やってることはパソコン管理とおんなじだよね」と代表の岡村實さん。このビルで生まれ育った、ちゃきちゃきの緑橋っ子です。「冬物なんかはまた別の倉庫に保管してる」ってことは、在庫をいっせいに衣替えする日があるってこと?ひぇ~どんだけぇ~?/<2号館>ハッシュパピー電話0166・23・3619、10~19時半、無休
ハジけた還暦、心は少年
- 繊維問屋の家業を継いだもののしっくりこず、大学時代の先輩に相談すると「本棚と持ち物を見てみろ」と言われて開店を決意したと言う岡澤さん。とにかくアメリカって付く本やらモノばかりだったんだって
- 80~90年代のジーンズはほとんどメードインUSA(今は東南アジア)。洗うと生地が縮むし、よじれる。「労働者の服だから基本洗わないものだったんだろうね」。天下のリーバイスもスーパーみたいな量販店で売っていたそうな
10代の頃にお兄さんや同級生からバイク、ギターの洗礼を受け、身も心もすっかり欧米化。「当時は外国、とくにアメリカにみんなが憧れる時代だったからね~」と、今年還暦を迎えたオーナーの岡澤正人さんが30年前に「おおっぴらにアメリカに行ける仕事はないか」と不純なのか純粋なのかわからない動機(!)でオープンしたのがこのお店です。
倉敷・児島のジャパンメードのジーンズから、強靭かつ肌触りのよい生地織りに命を掛けたTシャツなど、いい意味で一癖も二癖もあるブランドを扱っています。「男の子が本当にわくわくする店がやりたかったんだ。この店は僕のお気に入りを詰め込んだ部屋みたいなもの。いつまでできるかわからないけど、若い人たちから毎日いい刺激をもらってる」。アメリカアニメのキャラクターバッグなんかもあるので、女子だってお気軽に/<2号館>アメリカンフリーク電話0166・22・6878、12~20時、火曜定休
あなたのことを話してください
- 「90%は聞くこと、10%はヒントをあげること。本人に決めさせて」と野口さん
准看護師として病院に勤務していた野月順子さんが、6月末にオープンしたカウンセリングルームです。50歳の頃、夫との関係や子供の心の病気など、家庭内の問題からストレスを受けたことで自身も体調を崩し、大好きだった仕事を続けられなくなってしまった野口さん。青少年・企業中間管理職・高齢者のケアストレスカウンセラー資格を次々に取得し、新しい路を切り開きました。
今年60歳を迎えるまでにボランティアで地道な活動を続けてきましたが、交通の利便性を考え、まちなかでの開業を決意。ハンドマッサージの資格も取得し、心と体をケアできる環境を整えました。「悩んでいる本人はもちろん、支えている周囲の人たちもかなりのストレスを抱えていますよね。まとめてお話しをお聞きしますよ」と頼もしいひとこと。こう見えて、7人の孫がいるおばあちゃんなんです/<2号館>はあとふるケア電話080・3295・7714、10~18時、火曜と第1・2日曜定休
自分も娘も彫ってますね~(笑)
- 店のフェイスブックでは「はんこクイズ」を載せています。要チェック!
緑橋ビル商店街振興組合理事長のお店ははんこ屋さん。「複製されないように、すべて手書きで文字をデザインしているよ」。仕上げ彫りには、はんこを固定する篆刻台や巻き竹、ハサミ台など昔ながらの道具も健在です。
実は愛娘の英里果さんも〝彫る人〟で、北欧デザインのバターナイフやスプーンなどカトラリーを製作しています。血は争えないものですね!/<2号館>はんの小林電話0166・22・4353、9~18時、日祝定休