元公務員・縫製経験ゼロ
異色のバッグ屋さん緑道に開店

ゴボウと長ネギ専用袋、ねこのテントにこけしモバイルポーチ、チラリズムに挑戦するおすもうさんのまわしバッグ。先日オープンした「プロダクトアート工房ミチヒト」(旭川市8条通8丁目、緑道沿い)の店内にずらりと並ぶ「袋モノ」は、謎と驚きに満ちています。

登山家や自転車乗り、ランナーなどアスリートは、それぞれに目的や用途に応じて自分に合ったアイテムを揃える必要があります。自転車乗りでもあるオーナー・見上道(あゆむ)さんは、「細かい部分まで自分に合ったバッグが、市販品ではなかなか見つからない」と常々不満を感じていました。ならばいっそ作ってしまおうと思い立ち、長く勤めた公職をやめ、2年かけて縫製の技術を磨きました。

自己流ながら思い通りのバッグを作製できるようになったころ、旭川市内の料理研究家から「ゴボウと長ネギを折らずに入れられる袋が欲しい」とちょっと変わったリクエストを受けます。ふたりで頭をひねって完成させたのは、内側に長モノ野菜を固定する専用のポケットを2つつけた筒型バッグ。そのまま保存袋として使えるよう、全開するジッパーとかけ紐も取り付けました。アウトドア用の生地で制作したことで、土汚れもすぐに落ちると評価も上々です。

ほかにもこけしのためのテントや座いす、携帯ポーチなど、ユニークな作品を次々に生み出しています。「遊びに見えるものほど本気でやらないと」が信念。「ストレスなく使える自分仕様のアイテムはかけがえのないもの。できるかぎり、どんな変わったリクエストにも応えていきたい」と見上さん。問い合わせは工房ミチヒト(電話0166・86・0801)へ。