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旭川市民で歯を20本以上キープする人の割合は、男女ともに40~50代以降で大きく減っています。「お肌と同様、歯にも曲がり角があるようです。35歳をめどに、ケアの仕方を今一度見直した方がよさそう」と話すのは、旭川市保健所の次長で歯科医師でもある上林宏次さん=写真=。食べる楽しみ、話す楽しみを失わないようにできること、聞いてきました。(萩沢香苗)
あらためて、歯みがきのコツ
歯を失うおもな原因は虫歯と歯周病。虫歯・歯周病対策にはなによりやっぱり「食べたらみがく」ことです。どれほど耳タコでも、これに勝るものはありません。「毎食後ていねいにみがくのが理想ですが、そのうち1日1回は10~15分ほど時間をかけてみがき残しがないように」と上林さん。
歯ブラシはエンピツの持ち方で、ソフトに握るのが基本です。ブラシの毛先が反らない程度の軽い力で、小刻みに動かします。歯と歯の間に毛先が立って入るように意識して使うと、思ったほど力は要らないとわかるはず。デンタルフロスなどで歯垢を取ることも大切です。
上林さんのおすすめは、歯みがき粉をつけない素みがき。「歯みがき粉を使うと口の中が泡だらけになって早くすすぎたくなってしまうし、短時間でもすっきりした気持ちになってしまうので、十分にみがけていないことも」。でも素みがきって、みがき上がりのタイミングがわかりづらそう…と困惑していると、「口の中に何の味もしなくなったら、しっかりみがけた証拠ですよ」と教えてくれました。爽やかな味と香りにごまかされず、自分の感覚を研ぎ澄ませることも必要な歯みがき、奥が深い!
唾液のスーパーパワー
上林さんは「日常生活で気を付けられることもあります」と続けます。「元気な歯でいるためには、お口の中の細菌の活動を防ぐことも大切。そのためには、食べ物をよく噛むなどして唾液を十分に出してください」とのこと。
唾液には細菌の数や活動を抑えたり、口臭を軽くしたりするはたらきがあるので、分泌量を増やすことが重要なのだそう。物をよく噛む以外にも、舌の体操や唾液腺マッサージ(下記参照)などの方法があるので、お口の乾きが気になる人は試してみては。
そんなスーパーパワーの持ち主の唾液ですが、残念ながら睡眠中は分泌が減ってしまいます(でないとよだれで日々枕を濡らすはめに…)。もし歯みがきをせずに眠ってしまったら…?天敵の唾液は不在、エサになる食べかすたっぷり、これは細菌大フィーバーでダンシングオールナイト。寝起きのお口は最悪なことになっていると想像できますね。
自己流を見直して
- ブラシがぐんにゃりしないように歯に当てて、小刻みにブラッシングを
どんなに毎日きれいに、丁寧にみがいているつもりでも、歯の汚れは残ってしまうもの。個人個人のみがき方にはクセがあるので、どうしてもみがき残しが出てしまうそう。「そんなときに頼れるのがプロのケア」と上林さんは話します。「セルフケアと歯科医師のケアは、いわば車の両輪。かかりつけの歯科医を決めて3か月から半年に一度は検診を受けると、異常をいち早く発見し悪化を防げます」。
検診では歯の状態をチェックして、日々の歯みがきでは取れない歯石の除去、フッ素を塗るなど、患者の希望に応じた処置を行います。さらに「歯科衛生士さんに聞くと、自分のブラッシングのクセや弱点を見つけてもらえますよ」。年を取るほど、なあなあになりがちなセルフケアを見直すよい機会にもなりそうです。
最後に「虫歯や歯周病は細菌が起こすもの。健康な体なら、少しくらい菌が増えても負けません。適度な睡眠と運動で、ストレスを溜めない暮らしができるといいですね」とコメントをくれた上林さん。照れた笑顔に、きらりと白い歯が輝いていました。
歯の健康を考えよう
●歯と口の健康づくりに関するパネル・ポスター展
日時/11月7日(火)~13日(月)
場所/旭川市まちなか市民プラザ(フィール旭川7階)
●大人歯みがき教室〈定員15名〉
日時/11月13日(月)午後2時から
場所/旭川市まちなか市民プラザ(フィール旭川7階)
内容/歯の健康維持と歯みがきの基本についての講話と実技、歯みがきの個別アドバイス(希望者)
●絵本と歯ブラシでコミュニケーション〈定員20組〉
日時/11月14日(火)午前10時半から1時間程度
場所/旭川市中央図書館(常磐公園)
内容/歯科医師・歯科衛生士による歯みがきの基本についての講話と実技、子供の食事やおやつについて指導、絵本や紙芝居の読み聞かせ
対象/1才前後の乳幼児と保護者
申し込み・問い合わせは 旭川市保健所 ☎0166・25・6315