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マンガ家の手塚治虫さんの生誕90年特別企画展が、旭川市中央図書館2階展示コーナーで開かれています。1978年、ブラックジャックを連載中だった手塚さんが多忙なスケジュールの中、旭川市中心部の冨貴堂本店を訪れたことから始まった手塚さんと旭川のつながり。企画展では「あの日、手塚治虫は?」と題して、手塚さんが来旭した日を出発点に、旭川のファンとの交流をたどります。
手塚さんが亡くなった1989年、「手塚作品の魅力とメッセージを子供たちに伝え続けよう」と旭川の有志によって結成された「アトムの会」の活動を中心に、手塚プロダクションの協力によるマンガの複製原画や書籍、グッズなどの資料約300点を展示しています。
冨貴堂本店の元店長で、アトムの会発足時からの中心メンバーのひとり、氏家正実さんは「僕もまだ若くて情熱があったからねー。『旭川の子供たちに夢を与えてほしい』と手塚先生に手紙を書いたら、ある日、ご本人から直接お電話をいただいて…そこから、とんとん拍子に旭川に来られることになって」と、今でも信じられないといった様子。
手塚さんが来旭するにあたって、知人の映画看板絵師にアトムと火の鳥のイラストを描いてもらい、それを見た手塚さんが「僕よりうまいね!」と喜んでくれたことや、そこにサインを書き入れてくれたこと、手塚さんのトークショーを聴こうと、真冬に公会堂の前から堤防まで長い行列ができたことなどを懐かしそうに振り返ります。
アトムの会は、手塚プロの全面協力の下、年1回のペースで手塚アニメの上映会を開催。また、上映会で収益が出た際は、手塚治虫全集を旭川市内の学校図書館に寄贈したこともあります。メンバーの転居や高齢化もあり、ここ数年はお休みしていますが、「手塚さんの生誕90年の節目に、旭川との接点を多くの人に知ってもらいたい」と中央図書館との共催で本展を企画しました。
氏家さんは「科学の発達によって人間は幸せになれたのだろうかなど、現代にも通じる深いテーマを、子供にも分かりやすく投げかけてくれるのが手塚作品の凄さ。図書館にも作品がたくさんあるので、これを機に読み返してみてほしい」と話しています。
10月28日(日)には同館視聴覚室で「鉄腕アトム」などのアニメ上映会と絵本の読み聞かせが、11月11日(日)には手塚治虫研究家で編集者の黒沢哲哉さんの講演会が行われます。いずれも入場無料。問い合わせは、旭川市中央図書館(電話︎0166・22・4174)へ。