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- ちょっとコワモテ、でも話せばとっても気さくな柿崎家。時代のニーズを読み、今後も歴史を繋ぎます
鮮魚にお酒、惣菜から甘味まで、昭和の面影を残す商店が立ち並ぶ15丁目銀座商店街。その一角にある、大正10年から現在まで4代続く柿崎青果店(旭川市3条通14丁目)が今年2月に100周年を迎えました。
創業当時は1条通沿いに市場があり、15丁目界隈は近くて便利な立地から、早くから商店街が発展していました。一般市民向けのヤミ市が点在する中、同店は比較的裕福な家庭や飲食店にターゲットを絞り、よりよい品を求めて青森や和歌山まで自らりんごやみかんを買い付けに行くこともあったと言います。ほかにも持ち前のチャレンジ精神と企画力で、バナナの色付け(熟成)販売を他の青果店に先掛けて始めたり、スーパーマーケットが世に出始める前に、生鮮品と日用品を揃えた業態へ転身(先取りしすぎて3年でダメに…)したりと、発想と行動力を生かした運営をしてきました。
そうした父や祖父の姿を幼いころから見て育った3代目の哲夫さん(写真左・72歳)は、24歳で家業を継いで以来、およそ50年ものあいだ店を守り続けてきました。哲夫さんに100年続いた理由を尋ねると、「むずかしいことはわからない。でもやっぱり信用だね」とひと言。安くていい品物を揃えるのはもちろん、対面販売でお客さんとコミュニケーションしながら、信用を積み重ねてきました。
ここ数年は、家族構成の変化やお客さんの高齢化、追い打ちをかけるような新型コロナの流行と、今までにない厳しい状況に立たされています。それでも、昨年から始めた焼き芋の製造や試験的に販売したカットフルーツも好評です。さらに市場に出回らない品を農家から直接仕入れたり、食品ロス低減に繋げたスムージーのお店を計画したりと、先代が実践してきたチャレンジ精神で、現状を打破しようと前向きに取り組んでいます。「安さではスーパーに勝てない。小さな商店だからこその強みを生かして、ワクワクするようなお店にしたい」と4代目、現代表の能成(よしまさ)さん(同右)は話します。
100周年を記念して、3月27日(土)午前10時からイベントを予定しており、いちごの「あまおう」1パックをなんと税込100円で販売します(限定100パック、一人1パックまで)。「100にこだわった企画にしました!お店の儲けより喜んでほしい気持ちが勝っちゃうんですよね」と能成さん。問合せは同店(☎0166-23-0052)へ。