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春の訪れを感じ取り、雪の下から一番に顔をのぞかせるのは、元気いっぱいの野草たち。庭植えの草花とはまた違う、自然の力強さを感じる存在です。やわらかな陽射しを味わいながら、自然豊かな里山を散策しましょう!
旭川市と比布町をまたぐ突哨山(とっしょうざん)は、標高239メートル、総面積225ヘクタールの丘陵地帯。ミズナラやシラカバ、カエデなどの落葉広葉樹林の雑木林が広がり、約1700種の生き物が暮らす豊かな土地です。
この南端に位置する男山自然公園では、例年4月末から5月の初旬に、道内最大級のカタクリの群落が広がります。うつむきがちに開く薄紫色の花はとても可憐で、蕾、開き始め、くるりと反り返った花びらなど、時間帯や成長具合によって見られる姿が違うのも微笑ましいもの。
このカタクリの間を埋めるように咲く水色のエゾエンゴサクとの共演も素晴らしく、まるでモザイク模様を織りなすじゅうたんのよう。園内には、見つけると幸せになれるという珍しい白いカタクリも。ほかにも、フクジュソウやキクザキイチゲ、湿地にはミズバショウやエゾノリュウキンカ、ザゼンソウなど園路を春の野草が彩ります。
この公園を50年以上前から管理しているのは、名前の通り、地元日本酒メーカーの男山株式会社です。昭和、平成の時代にレジャーランドだったこの地は、同社が運営母体となったことで徐々にカタクリの名所に姿を変えてきました。同社総務部長の朝野重充さんは「公園の開園期間中、お客さんが少ないタイミングで公園スタッフたちが丁寧に草刈りをしたことで、園路がどんどん広がっていったんだよ」と教えてくれました。
実は、今年の開園は見送ることが半ば決まっていました。新型コロナウイルスの影響で本業の日本酒の売り上げが減少し、自然公園の整備費を捻出することが難しくなったことが理由です。ところが、昨年末に一縷の望みをかけて実施したクラウドファンディングで予想を上回る寄付金が集まり、今年も花が見頃の時期に無料で開放できることになりました。「ファンの皆様のおかげで、今年も無事に開園できそうです。見頃はおよそ一週間。雪が多かった今年の開花は、ゴールデンウィーク前半と予想しています。ぜひ、良いタイミングを逃さず見に来てくださいね」と朝野さん。
散策路は850メートルある東ルートと、500メートルの西ルートの2つ。人気の東ルートは初めに登りの道が続きますが、腰に負担がかかりにくいように木のチップを敷いてあります。休み休みゆっくり歩いて、里山の風景をめいっぱい楽しんで。
そして、心地よい散策を楽しんだら、きっとお腹が空いてくることでしょう!愛でた景色を話題に、春のランチタイムを過ごしてください。
男山自然公園/旭川市東山
☎0166-57-2131(開園期間中のみ開通)
無料開園期間 4月中旬~5月中旬、午前9時~午後5時
※愛らしい草花たちですが、あくまでも野生の存在。摘み取りは厳禁です
※状況により臨時閉園するため、お出かけ前に男山自然公園のブログをチェックして
花の案内人になろう
突哨山の魅力を多くの人に伝えるお手伝いをしませんか。NPO法人もりねっと北海道は、突哨山のガイド役「花案内人」を募集しています。活動期間は4月29日(木祝)から5月5日(水祝)の7日間。午前10時から正午、午後1時から3時までの半日交代制で、突哨山の自然や歴史などの魅力を、訪れた市民や観光客に紹介します。
事前に講習を行うため、未経験でも安心してガイドできます。室内講習は4月22日(木)午後6時半からCoCoDe(旭川市宮前1条3丁目)、現地講習は25日(日)午前9時から突哨山で行います。定員30人程度。参加無料。申し込みはNPO法人もりねっと北海道(☎0166-60-2420、ask@morinet-h.org )へ。