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- 自費出版の画集「ほっかいどう喫茶の手帖」を手にする寺井さん
旭川出身で、東京在住のイラストレーター寺井さおりさんが、これまで訪れた全国の純喫茶をイラストで紹介する展示会が、旭川市東光7条2丁目2-5のほっとカフェで開かれています。6月には北海道の喫茶店の情報をまとめた画集「ほっかいどう喫茶の手帖」も出版します。
寺井さんは高校卒業後、札幌の専門学校でグラフィックデザインを学び、その後東京の美術大学で引き続きデザインを専攻。大学卒業後はデザイン事務所に勤務し、2010年に独立。現在はイラストレーターとして、住宅メーカーのイラストルポや、書籍の装丁のイラストなどを手掛けています。
仕事のかたわら、大学時代から通い始めた全国各地の純喫茶を、イラストルポとしてまとめる活動もライフワークにしています。1000軒以上に上る喫茶店ルポは、自身のブログでも紹介しています。
寺井さんが喫茶店の魅力に取りつかれたのは、昭和から続く個人経営のレトロな純喫茶との出合いでした。デザインを勉強していた寺井さんにとって、店のロゴやマッチ箱のデザイン、木製のカウンターやテーブル、カーテンの質感などに古くて新しい普遍的なデザインセンスを感じました。それから喫茶店は寺井さんにとって、ぼんやり時間を過ごしたり、妄想を楽しんだり、仕事のアイデアが湧いてくる人生に欠かせない空間になりました。
イラストルポは、店の外観やインテリア、看板、コーヒーカップ、料理など、寺井さんが目についたものを、やわらかいタッチでできるだけ精密に描いています。3年ほど前に本にまとめようと思い立ってからは、許可を得るために店主と会話する機会も増え、お店めぐりの楽しみがひとつ増えました。
展示会では、北海道と東京を中心に全国40軒以上を紹介。旭川の喫茶店も多く、家に店のマッチが残っていたことから、祖父が通っていたと知った中心部の「モンテローザ」(現在は閉店)で、ひとり祖父を思う寺井さんの姿も描かれています。
寺井さんは「昭和の時代から続く、個人オーナーの店の個性や面白さを感じてもらえれば」と話しています。
展示会は5月末まで。画集は、A5判140ページ、1500円(予定)。準備ができ次第、ウェブサイトで情報を発信し、メールで直接購入、ネット販売、ほっとカフェなどで委託販売する予定です。