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旭川市永山4条13丁目に居酒屋とカフェ、革靴工房、古布の服飾雑貨コーナーを併設したなユニークな喫茶酒場「ハシエンダ食堂」がオープンしました。店主の十鳥(とっとり)春香さんは「自分の好きなものを詰め込んだこの場所で、たくさんの人と出会いたい」と話しています。
旭川出身の十鳥さんは高校卒業後、京都の大学に進学。卒業後は東京で会社員をしていましたが、30歳を前に独立を決意。学生時代を過ごした京都のホステルの飲食部門で経験を積みました。
沖縄から京都に住み込みで靴職人の修行に来ていた夫とはこのころ出会いました。1~2年後、一緒に沖縄に移ることを決めていた十鳥さんは、休日の飲食店を週末だけ借りて、最初の「ハシエンダ食堂」を開業します。
営業日の少ない仮の店舗でしたが、京都のおばんさい、韓国、中華、アメリカ、アジアンエスニックなど毎月テーマを決めて、メニューをすべて変えていました。手間のかかる作業でしたが、この時の経験がとても勉強になったと振り返ります。
例えば、アイルランドの郷土料理「アイリッシュシチュー」は、コンソメやハーブなどを和風だしと醤油、みりんに変えれば「肉じゃが」になる。調味料だけ変えれば、食材の組み合わせや基本の調理方法にそれほど違いはない。そのことに気付いてからは、料理の幅がぐんと広がりました。
京都の店は海外からのバックパッカーも多く、一人でふらりと立ち寄ってくれる客も多くいました。人好きの十鳥さんともすぐに打ち解け、初めての客同士で盛り上がることもよくありました。
沖縄では初めてフル営業の店を持ちましたが、立地が悪く、夜の営業は振るいませんでした。落ち込んでいた十鳥さんを夫は励まします。「靴職人はどこでもできる。沖縄にこだわらず、好きな場所でもう一度挑戦しよう」。
夫の言葉に背中を押され、再出発の場所に選んだのは生まれ故郷の北海道でした。実家を改装し、1階部分に店舗と靴工房を構えました。古布の服飾雑貨はお母さんの手作りで、2階には両親が暮らしています。
大好きな映画のポスターやチラシを店内にディスプレイしたり、京都で学んだだし巻き玉子や、沖縄産ゴーヤチャンプルーもメニューに加えました。粉を使わない濃厚ガトーショコラはお酒とよく合う自信作です。
十鳥さんは「客商売を通じて感じたのは、やっぱり私は人が好きなんだな…ということ。人との出会いが自分を成長させてくれるし、ここにたどり着かせてくれた。新しい店でもそんな関係を築いていきたい」と話します。
今後、音楽ライブや落語の寄席、知人の画家にライブペインティングを実施してもらうことも計画中。営業は午前11時30分~午後2時、午後5時~11時。火曜、第1・3水曜休み。問い合わせはハシエンダ食堂(TEL:090-9665-9340)へ。