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身近な施設や昔からあるけどここってナニ?という場所を、ライナー編集部が密着取材し紹介します
今回はココ!道北アークス 大雪アリーナ
スポーツの試合や一般利用ができる体育館、ダンスや音楽、車販売のイベント、また冬は屋内スケートリンクと、用途に応じて様々な姿を見せる多目的空間。市民なら一度は足を踏み入れたことのある、あのかまぼこ型の建物です。8月14日(月)に行われた大相撲旭川場所に合わせ、なんとアリーナに土俵が設置されるとの情報をキャッチ!独自のルートを辿り作業現場に潜入し、その一部始終に密着しました。
【その1】妥協を許さぬ、職人の業 アリーナに土俵ができるまで
日本相撲協会に所属する「呼出(よびだし)」とよばれる方々により、毎回一から作られます。機械を使用せず、すべて手作業で作るというから驚き。30℃を超える猛暑のなか、午前6時頃から作業を開始し、午後3時頃に完成しました。
①土台となる木製の枠組みの中に、トラックから下ろした土を一輪車で運びます。両国国技館の土質に近い土を調達し、北海道内の巡業ではすべて同じ土を使用しているんだとか。
②土俵の周囲に置く俵も一から作ります。藁に土を詰め、瓶でリズミカルにたたきながら形を整えていきます。全部で24本を3名で作っていました。
③運び込まれた土は、乾燥しないよう少しずつ水をかけながら固めていきます。外のトラックから一輪車を押して何往復もしながら、満杯になるまで繰り返します。
④土がすべて運び込まれた状態。まだ塊が残っていますが、ここからが腕の見せ所。「たこ」と呼ばれる道具で突いて表面を水平にならしていきます。
⑤「大タタキ」という道具で、土を叩いて固めていきます。4.55m(15尺)の円は、縄と五寸釘をコンパスのように使って描きます。寸分違わぬ円を描く、まさに職人技です。
⑥円の周りに俵(勝負俵)を16個埋めていきます。しっかりと隙間なく埋めたら、円の東西南北4か所に「徳俵」を埋め込みます。徐々に完成が見えてきました。
⑦外側も大タタキでしっかりと固め、中央に白い仕切り線を書いたら、ついに完成!
⑧観客席も設けられ、お土産の座布団も各席に設置。本番に向けて、準備完了です。
中心となる3名の呼出と協力業者のほか、なんと高校生のアルバイトも動員。総勢30名以上が携わっていました。
【その2】準備期間は約1ヶ月 スケートリンクができるまで
①体育館の床板を剥がす
②不凍液が流れるパイプをフロアーに敷き詰める。少~しずつ水を撒いて、凍らせて…を繰り返す
③完成!この数行の文章で終わらせてしまうのが申し訳ないほど、夏期シーズン終了後の大仕事です。
【その3】スープ・醤油ダレ・チャーシューも自家製 食堂の看板メニュー誕生秘話
遡ること10年ほど前、当時の社長から「ラーメンをもっとおいしくせよ」との指令が下りました。その命を受けた厨房のおばちゃんたちは、近くの図書館へ。借りた本を読み漁り独自に開発した、専門店顔負けのレシピが完成しました。ラーメン文化が根付く旭川の中でも、異色の経歴を持つオーソドックスな1杯です。
編集後記
お盆休みを返上して臨んだ取材でしたが、呼出の方々の職人技を目の当たりにし、気づけば夢中でシャッターを切っていました。連日の巡業でタイトなスケジュールのなか、仕事中にも関わらず気さくに対応してくれる心意気に、真の漢の姿を見た気がした夏の思い出。アリーナで開催されるイベントは、どれも裏方の仕事があってのことだと、改めて感じた次第です。取材にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
\次回は11月頃に掲載予定/
誰もが気になるあの施設に、密着します!