芸術家と支援者のハブに
土地が醸成するアートを支援

国内外のアーティストを招へいし、一定期間創作活動を支援する「アーティスト・イン・レジデンス」の取り組みが、株式会社野村設計の野村パターソン和孝さんを中心に進められています。

野村さんはミュージシャンとして活動していた15年前から、自身も海外のライブ演奏で利用したこのプロジェクトの構想を温めてきました。昨年、旭川市がユネスコの創造都市ネットワークにデザインの分野で加盟したことや、コロナ禍に芸術・文化の重要性を再認識したことをきっかけに、計画が一気に進展。野村さんが所有する物件を宿泊場所として提供したり、管理する有料駐車場の収益を活動費に充てたりと、アーティストのバックアップ体制を整えました。

現在、第一弾として、多摩美術大学で油彩を学ぶ安部祐生さん(中央)を招待しています。「東京とは違う道端の植え込みや街中の彫刻など、気になるところがたくさんあります。旭川だからこそできることを、新鮮な切り口で表現したい」と安部さん。間もなく1カ月の滞在を終える安部さんの成果展が、27日(木)午前10時から午後6時に、野村設計倉庫(旭川市宮下通19丁目、元「厨古」)で開かれます。

今後も翻訳家やジャズピアニスト、漫画家など8人の滞在が決定しています。野村さんは「アーティストによる講演会や地元企業とのコラボレーションなど、多くの可能性を秘めています。地域と関わりながら10～30年かけてじっくり積み上げていきたい」と展望を話します。問合せは野村さん(☎080-7992-3084)へ。