コロナ禍の入館者減をグッズ販売で下支え
あなたへ、あの人へ、氷点の街から通信販売カタログ好評
三浦綾子記念文学館
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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、臨時休館中の三浦綾子記念文学館が、昨年から発行している通信販売カタログが好評です。同館の喫茶室や物販コーナーで販売している菓子やグッズのほか、ふだん文学館では取り扱っていない品も収録しており、新型コロナの影響で、大幅に入館者減となったこの1年の売り上げを支えています。
あの人にも、あなたにも「氷点の街」からお届けします―。カタログの表紙には、こんなコピーが表記されています。
2018年にオープンした分館の一角にある「氷点ラウンジ」は、小説「氷点」の舞台となった見本林へとつながるテラス席を備える喫茶コーナーで、お茶やお菓子を楽しみながら、「氷点」に登場する辻口邸の窓辺にいるように作品世界に浸ることができる空間として人気を集めています。
全国各地の三浦ファンは、いつか聖地・見本林に建つ文学館に行ってみたい、あるいは年に1度の文学館訪問を楽しみにしている人が数多くいます。グッズの通販カタログは、こうした遠方のファンに、氷点ラウンジで過ごすような時間を、自宅でも楽しんでもらおうと、新型コロナウイルスの感染拡大前の一昨年秋から準備に取り掛かりました。
第1号を発行したのが、コロナ禍の昨年3月。緊急事態宣言による巣ごもり需要の影響もあってか、この号で紹介した氷点ラウンジのオリジナルブレンドコーヒーやドーナツへの反応は上々でした。
続く7月の第2号の発行に合わせて開発したステンレスボトルやタンブラー、優佳良織のブックカバーなども好評で、12月の第3号では、ふだん文学館では扱っていない商品も収録しました。綾子さんが近所の子供たちを自宅に招いて毎年開いていた「子供クリスマス」からの連想で、クリスマスの伝統菓子シュトーレンを地元の菓子製造業者に作ってもらったり、「泥流地帯」の被災地上富良野町のベーコンやソーセージ、カレールウなども人気を集めました。
さらに、来月発行の最新号では、「暮らしの中に三浦作品を」をテーマに、春らしく「新生活」や「こどもの日」にふさわしいグッズや三浦作品、朗読会など新年度のオンラインイベントも紹介する予定です。
例年1万5000人前後の入館者数は、今年度は約半数の7000人まで落ち込みましたが、通販パンフレットの効果で、物販の売り上げは平年の水準を維持しています。
写真撮影やレイアウトも自分たちで行っているため、苦労は多いですが、編集担当の学芸員、齋藤玄輔さんは「三浦作品の世界観を損なわず、ファンに喜んでもらえるグッズ選定を心がけました。文学館からの情報やイメージ発信の幅が広がれば」と力を込めます。
難波真実事務局長は「綾子さんが作品を通じて一貫して語っていたのは人と人とのつながりの大切さ。それは、オンラインかオフラインであるかは関係なく、そのためにどう動くか、どうあるべきかを考える機会になった」とコロナ禍の時間を振り返ります。
三浦綾子記念文学館の通販パンフレットは、館報や賛助会員への通信と同封して郵送されます。また通信販売の商品は、同館の公式ホームページからも注文できます。
文学館再開は3月2日(火)からの予定。問い合わせは、三浦綾子記念文学館(☎0166-69-2626)へ。
関連スポット
旭川が生んだベストセラー作家 三浦綾子のすべてをご紹介しています。
住所:旭川市神楽7条8丁目2番15号TEL:0166-69-2626/定休日:6月〜9月:無休
10月〜5月:毎週月曜日
12/30〜1/4:年末年始休館/駐車場:あり:無料30台 大型バス7台
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