上川町にチーズ工房オープン
日本酒由来の乳酸菌活用

上川大雪酒造(上川町)などを傘下に持つ緑丘工房(札幌市)が、上川町内にチーズ工房「KAMIKAWA KITCHEN(カミカワキッチン)」(上川町北町189)をオープンしました。同じグループ企業で、町内のレストラン「フラテッロ・ディ・ミクニ」を運営するFTC株式会社が手がけています。

上川町は大雪山から注ぐ清らかな水と麓に広がる自然を背景に、酪農を中心とする農業が盛んです。日本酒で地域ブランドを育てた実績がある緑丘工房が、日本酒をつくる過程でできる乳酸菌を活用し、酪農を新たな観光資源として育てることを目指してチーズ工房を設立しました。

町所有の地産地消拠点「上川町たべもの交流館」の1階に、加工場や貯蔵庫を整備。低温殺菌牛乳を加工した無塩モッツァレラチーズを製造し、併設の店舗で販売しています。ミルク感が際立つモッツァレラは、サラダと和えて、さっぱりいただけると好評。今後1～2年かけてゴーダチーズなどの熟成も進めており、熟成庫には大雪ダムの倉庫を利用することも計画しています。

上川大雪酒造の日本酒「神川」は町周辺でしか買えないことから幻の酒と評され、ブランド価値を高めています。このチーズも併設店舗やフラテッロ・ディ・ミクニでしか入手できない幻のチーズとして売り出していきます。製造担当の安住正弘さんは「この場所で生産され、加工され、ここでしか味わえない地域ブランドとして育てていきたい」と話しています。

営業は午前10時から午後4時。火・水曜休み。モッツァレラチーズは100グラム540円。このほかグラタンやピザ、ヨーグルト、不定期でクリームチーズケーキも製造、販売しています。問い合わせは同店(TEL：01658-7-7201)へ。