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- カウンターで一人で調理を切り盛りする諸橋さん
函館の海鮮居酒屋で経験を積んだ30代の主人が腕を振るう「隠れ居酒屋 幸夜 KO-YA」が旭川市中心部のさんろく街にオープンしました。店主の諸橋幸矢さんは「食を通じて、たくさんの人に幸せを届けたい」と話しています。
東神楽町出身の諸橋さんは大学卒業後、旭川で会社員を務めていましたが、函館転勤と30歳を前に独立を決意。飲み仲間だった函館の知人の店で料理人の修行を始めました。
調理の世界は初めてでしたが、調理師免許を持つ母の手料理と、祖父母が東旭川町ペーパンで農業を営む環境で育った諸橋さんは、食の大切さを理解していて、その奥深さに引かれていきました。すぐに板場を手伝うようになり、食材を仕込んだり、刺身を切ったり、揚げや火入れの仕事も任されるようになりました。「カウンターごしにお客さんと対話できるのが合っていたんでしょうね」。自分の仕事の手応えが、すぐに返ってくることにやりがいを感じました。
食材にひと手間加えることで、舌の肥えた港町の常連客をうならせることも知りました。魚のうろこ揚げに塩をふって焼き魚に添えたり、濾したキンキの肝を醤油と味噌で和えた珍味も、酒好きに喜ばれました。器にも気を配り、盛り付けにフレンチのような演出や、彩りを添えることも大切にしています。
先日、初めて祖父母を自分の店に招待し、手料理をふるまいました。「じいちゃん、ばあちゃんっ子だったので、元気なうちに自分の料理を味わってもらえてうれしい」と諸橋さん。店にはカウンター席と半個室があり、年配の夫婦が落ち着いて料理と酒を楽しめる雰囲気づくりを心掛けています。落ち着いたら、食品ロス削減も兼ねて、高齢者施設で出張料理ボランティアも始めたいといいます。
店には函館時代の客が顔を出してくれることがあります。食材も函館で取り引きのあった鮮魚店から仕入れており、そのつながりは今も続いています。諸橋さんは「函館で学んだことを土台に、旭川でさらに腕を磨き、地元に愛される店を目指したい」と話しています。
営業は午後5時から午前0時。水曜日は午後10時30分まで。日曜・第3月曜定休。問い合わせは幸夜(TEL:070-2008-1455、旭川市3条通6丁目ヨネザワ第2ビル地下1階)へ。