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- マナティーの魅力と取り巻く環境について語る橋本陣くん
旭川市東光在住の小学2年生、橋本陣くん(7歳)が、中南米やアフリカに生息する海生哺乳類「マナティー」の研究に取り組んでいます。乱獲や環境汚染のためその数が激減している現状を知った陣くんは、手作りのマナティーグッズをイベントなどで販売。売上は全額、国内唯一のマナティー研究機関に寄付するなど、保護活動に努めています。陣くんは「マナティーのやさしさと、危機的な状況を多くの人に知ってほしい」と話しています。
幼稚園のころ、テレビでマナティーを知った陣くんは、その愛らしい姿とやさしい習性に引かれ、ネットや図鑑で詳しく調べ始めました。マナティー研究の専門機関のオンライン講義を大人と一緒に受けたこともあります。そこで知ったのは、生息地では食用にされたり、皮が利用されたりと、人間の乱獲や環境汚染によって、絶滅危惧種に指定されていることでした。研究成果はイラストや解説付きのパネルにしてイベント会場などで報告しています。
研究機関に、マナティー保護のため小学生でもできることを問い合わせたこともあります。そこで教えてもらったのは、野生動物の生息地である「海岸のゴミ拾い」でした。留萌や銭函、余市の海岸には大量のプラスチックごみが捨てられていました。そうした現実に「悲しくなった」と陣くんは語ります。
絵や工作が得意な陣くんは、昨年秋からマナティーのポストカードやキーホルダーを制作し、ハンドメイドの店やイベント会場で販売しています。ごみ削減のため、商品は個包装しないことも自分で決めました。1年間の売り上げは8万円を超え、全額を研究機関に寄付しています。
マナティーをきっかけに環境問題にも目を向けるようになった陣くんは、不要のおもちゃや雑貨を使ったスノードーム作りや、ごみ削減を学ぶワークショップも開いています。こうした地道な活動を通じて、マナティーを取り巻く環境に目を向ける人が増えてほしいと願っています。
オランウータンが生息するボルネオにレスキューセンターを設立するなど、野生動物の保護と環境保全に取り組む旭山動物園の坂東元園長は「動物に興味を持ち、その動物の未来につながる活動にまで発展させたことがすばらしい」と感心しています。
陣くんの将来の夢はマナティーの研究者。そのために、今は学校の勉強をがんばるのも目標のひとつ。そして、人間と動物が仲良く暮らせる未来を信じています。
陣くんの研究成果の展示とグッズは、スイーツ店「ありすくりぃむ」(旭川市東光5条6丁目)で見学・購入できます。