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愛知県から富良野地方に移住して30年近くになる書家、福瀬餓鬼(がき)さん(88)の米寿を祝う展示会が、2024年1月6日(土)~14日(日)まで、道立旭川美術館(常磐公園内)で開かれます。自身最後の展示会と語る福瀬さんは、「書家人生の集大成にしたい」と意気込んでいます。
福瀬さんは富山県出身。テーマを象形文字に求め、既存の書道界のヒエラルキーには属さない独自のスタイルを貫き、オランダや中国、ドイツで個展を開くなど、世界的に高い評価を得ています。中曽根康弘元首相や、俳優の森繁久彌さん、大相撲の曙関ら、数多くの著名人の篆刻も手掛けています。50代後半で渓流釣りに通っていた富良野に移住し、2001年中富良野にアトリエを構えました。
この間、脳梗塞を患い、2~3年書けない時期もありましたが、10年ほど前から創作活動を再開。富良野市内の書道サークルでも意欲的に会員の指導にあたっています。
作品展では、中国、唐代の詩人・白居易の「長恨歌」を展示。唐の玄宗皇帝が寵愛していた楊貴妃の悲劇を描いた長大な叙事詩を、魂を込めて書き上げた幅15メートルほどの大作です。また複数の篆刻の印影を、1枚の紙に表現した般若心経など、過去の代表作や近作、篆刻の実物も展示されます。書、篆刻、墨絵、文章、4つの分野で創作活動を続ける書家は国内でも少なく、「自身の創作の軌跡と原点を感じてもらえる展示会にしたい」と語ります。生命力あふれる力強い筆致の書や墨絵と、小さな世界に命を吹き込んだ繊細な篆刻、魂に迫る餓鬼ワールドを堪能できる展示会になりそうです。
世話人の藤田嗣人さんは「餓鬼先生の師とも言うべき洋画家の中川一政先生は90歳を過ぎてから数々の作品を生み出した。今回の展示会を通過点に、これからも創作に打ち込んでほしい」と願っています。
福瀬餓鬼 米寿記念「書・墨彩・篆刻」展は入場無料。開館は午前9時半~午後5時(入場は午後4時半)まで。1月9日休館。問い合わせは藤田さん(TEL:090-2055-9816)へ。