9条通にカラフルな動物たち
和やかな景観づくりを演出

旭川の9条通と国道39号線が交差する場所に建つ株式会社檜山鐵工所(旭川市9ノ18)の壁面に、楽しそうに泳ぐアザラシや木にとまるシマフクロウ、オオカミとヤギなどのモニュメントが登場しました。独特な色づかいと目を引くディスプレイが、通りを賑やかに彩っています。

キリンやゾウの案もあった中、より旭川らしい大雪山、リス、アカゲラ、松の木を採用

イラストは旭川を代表する絵本作家・あべ弘士さんの書きおろし。副社長の石黒さんが「決してきれいなイメージはない地域の景観を、明るく、周囲に喜んでもらえるものにしたい」と、モニュメントの設置を思いつきました。せっかくなら後世に残るものをと考えたとき、あべさんのイラストが頭に浮かんだといいます。

国道沿いには巨大なゴリラ！数年前にあべさんの作品をはじめて手掛けた思い入れのある作品

以前、道立旭川美術館であべさんが作品展を開いた際、同社が巨大ゴリラのモニュメントを制作しました。その経緯もあって、旭川をよく知るあべさんならば、地元にふさわしい作品を残せるのではと協力を依頼することに。

数年の構想を経て、今年の春にあべさんと意見交換して絵柄の候補を出し合い、実寸の見本を作るなど試作を重ねながらイメージを共有してきました。アザラシやフクロウ、リスの生き生きとした姿を鉄板に直接描き付け、切り抜いてから色づけをして仕上げています。あべさん立会いのもと、9月下旬に2日間かけて設置しました。

9条通には石黒さんたっての希望で、天敵のオオカミとヤギが嵐の夜を経て不思議な友情が芽生える絵本「あらしのよるに」の一場面も設置

「これが少しでも地域貢献になっていればうれしい。動物園通の延長上ということもあり、旭山動物園のPRにもなれば」と石黒さん。「今後も少しずつでも仲間を増やしていきたい」と続ける笑顔が印象的でした。

交通量の多い通りなので、見とれるあまりくれぐれも事故には気をつけて。また、歩行者が触れて怪我をすることがないよう鉄の切り口にコーティングを施していますが、手は触れずに鑑賞してくださいね。

問い合わせは檜山鐵工所(0166-31-6211)へ。