1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. ジュラシック・ワールド/炎の王国

文字通りの“ワールド”到来

ジュラシック・ワールド/炎の王国

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
©Universal Pictures

シリーズ1作目の『ジュラシック・パーク』。あの衝撃から25年も経つのかということがまた別の衝撃だ。25年目にして5作目となる本作は、前作はもとより、1作目から連綿と続いてきた様々な要素を継承している。個々の作品は雑に言ってしまえばどれも同じような展開で、私腹を肥やそうとするもの、科学の極みへ近づこうとするものなどが暴走してひどいことになる。主人公たちは少数で奮闘してそれをなんとかする。しかし似たようなことを繰り返しているようでいながら、なかなかどうしてしっかりつながった物語になっているのだ。

本作も、偉大なるマンネリとでも言うべきパターンを踏襲していながら、新たな要素を盛り込んで問題提起もしている。序盤の何気ないセリフがテーマの深いところにひっかかって残るなど、単なるパニック映画とは異なる後味を残す。ラストシーンも印象的で、まさに『ジュラシック・ワールド』というタイトルに相応しい。この先の世界がどうなるのかとても興味を掻き立てられ、たとえマンネリ化した次回作であろうとも待ち遠しくなる。ただ、「炎の王国」という陳腐なサブタイトルだけはもう少しどうにかならなかったのだろうか。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

冒頭からマルコム博士が登場する熱い展開。マルコム博士は今回本筋には絡んでこないものの、議会で実に彼らしい主張をする。これが冒頭のプロローグだけでなく、本編の合間にちょこちょこと挟まれてきて、登場する時間はわずかなのに強烈な印象を残す。ものすごい存在感だ。彼のラストのセリフは素晴らしく、「ジュラシック・ワールド」という言葉がパークの名前から文字通りの「世界(ワールド)」になったことを見事に言い表している。

本作もこれまでのシリーズと同じテーマに沿い、同じような展開でパニックを描くというひな型は踏襲している。ただ本作には重要なポイントとして、メイジーの存在がある。メイジーはベンジャミン・ロックウッドの孫という位置で登場する少女。彼女には秘密がある。本当は孫ではなく、ベンジャミンが亡くした娘をクローンとして蘇らせたものだというのだ。「そんな無茶な」と思うような話だけれど、思えばこの作品の世界ではクローン技術はほとんど完成されたものなのだから人のクローンだって完全な形で作れるのだろう。彼女がクローンだということは作品の後半に入ってから判明するのだが、序盤からクローンに関する言及はある。恐竜たちの寿命について、クローンの寿命はわからない、といったことが言われる。ものすごく短いかもしれないし、本来よりもはるかに長いかもしれないと。後半でメイジーがクローンだと判明したとき、序盤でのこれらの会話が全く違った重さをもってくるのだ。

ラストシーン。ロックウッド邸の地下に閉じ込められたまま死を待つのみとなった恐竜たち。恐竜たちを救うには地下から解放するしかないが、そこはもう閉ざされた島ではない。ここで恐竜たちを放てば、もはや人間の管理下には置けなくなることを意味する。さすがのクレアもその重さの前に救出を断念するような事態だ。しかしメイジーはためらわずに恐竜たちを解放する。「わたしと同じ、クローンだって命だ。」と。

放たれた恐竜たちは、もはや人間の居住区域で共存していくことになるのだ。生態系の頂点に君臨していたはずの人間は、一夜にして肉食竜に捕食される側になった。そしてマルコム博士の「ウェルカム・トゥ・ジュラシック・ワールド」という言葉。次作への期待感という意味では、本作は間違いなくシリーズ最高である。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
前作から二十四年。さらにひどいことになっているローマを舞台に繰り広げられるグラディエーターの物語。前作にも登場した皇帝の娘であるルシラは、前作の主人公だったマキ... (11月22日)
本心
AIやロボティクスの技術が発達し、自ら死を選ぶ自由死という制度がある近未来を舞台にしたある種のSF作品である。母親が「大切な話がある」と言い残したまま自由死で死... (11月15日)
破墓/パミョ
韓国からやってきたホラー・サスペンス。予告編を見たときの印象はそんな感じだったのだけれど、見てみたらそんなありきたりなカテゴライズでは語れない、想像を軽く超えて... (10月25日)
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版
昨年公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の本当の姿、真正版である。R15指定とすることで本来表現したかった内容を盛り込んだものだそうだ。この物語のおぞましさを描... (10月11日)
ビートルジュース ビートルジュース
ティム・バートン監督によるホラー・コメディということで、伝家の宝刀的な作品と言える。実は35年前の一作目の35年後を描いた続編でもあり、主要キャストがそのまま続... (10月4日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2024年11月19日号
2024年11月19日号
アルベロが東光に移転 コース料理を中心とした ランチを楽しめるお店に
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!魚料理編
みらい農家
みらい農家
地域の未来を耕す人たちを紹介します
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える 季節の食材を使った 絶品レシピをご紹介
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
11/19〜25の星占い

ページの最上段に戻る