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- 土地の半分には緑肥のひまわりを植えて1年ごとに輪作しています。去年から有機栽培に取り組み、来年には正式に有機JAS認証が下りる予定。大豆かすや魚粉を混ぜ込んだ土地は雑草も元気いっぱいで、手作業で抜く果てしない闘いを繰り広げています
「冬でもざるそば食べるような子だった」と振り返るのは、士別市多寄町にそば屋「淳真」を構える山崎淳司さんです。高校まで旭川で過ごし、札幌の大学を卒業後は一般企業に就職。昼にはそばを食べ歩き、転職先の千葉県では好きが高じてそば打ち教室にも通うように。「先生に、君上手だね!って褒められて。そこからずっと勘違いの人生だよ」と笑います。
帰省中のある日、通りがかった多寄で「そば粉あります」の貼り紙を見つけました。近隣農家の笠羽正一さんが手塩にかけた無農薬栽培・自然乾燥モノで、「あまりの香りの良さに驚いた」と今でもあの日の興奮を思い出して瞳を輝かせます。
しばらくののち、体調を崩し帰郷。「こうなったら好きなことをして生きよう」と笠羽さんに弟子入りし、農家の手伝いを経て、笠羽さんの友人から譲り受けた店舗で淳真をオープンしました。「最初の数年は本当にお客さん来なくて。変だなと思ってたら、看板出してなかったんだよね」となんとものんびりしたエピソードですが、その後はクチコミで評判が広まり、連日早い時間に売り切れてしまうほど。笠羽さんにそば挽きの技術を学んでからは「もっとおいしいそばを作りたい!」と、山間部に6ヘクタールの土地を取得。時期には朝から閉店まで店で働き、夕方からはそば畑でトラクターを乗り回します。
食べるから打つ、挽く。そして今や作り手に。食の根源へ逆走する、愛すべきそば馬鹿は、留まるところを知りません。次なる目標は「日本と季節が逆のオーストラリアでそばを作りたいし、そば畑の真ん中でオーベルジュならぬ“そばベルジュ”をオープンさせたい!」。今後も予想外の展開を見せてくれそうです。