1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. 空母いぶき

ちからとは いったいなんだ

空母いぶき

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒかわぐちかいじ・惠谷治・小学館/「空母いぶき」フィルムパートナーズ

兵器には魅力がある。明快な目的のために一切の無駄を排したデザイン。それは日本刀が美しいように、美しい。それを主軸に据える映画は、ともすると「兵器を出したいだけ」のものになり下がる危険と隣り合わせだ。本作はどうだろうか。

日本で最新の兵器を描いて映画を作るとすれば、やはり自衛権の問題に絡めて有事を演出し、そのとき日本はどうするのか、ということを問うことになる。そういった小説、映画などはこれまでにも数多く作られてきた。本作もそういった方向の作品だがテーマ性に新しさは見られない。

世界の警察だった大国がその役割を降りたために同時多発的に発生した小国の一つが「敵」として描かれる。出自を明らかにしないことで政治色を帯びることを避けているわけだが、それがリアリティを損ねることにつながり、その結果「兵器映画」になってしまってはいまいか。

リアリティと言えば空母の甲板のデザイン、あれは理にかなっているのだろうか。着艦時に不都合はないのだろうかという疑問を持ちながら見ていたが、ついに最後まで着艦シーンが描かれることはなかった。有事を描くという意味では『シン・ゴジラ』の方がむしろ成功していたように思う。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

有事に絡めて日本の自衛権の在り方、武力の在り方を問うという幾度となく描かれてきたテーマを扱っている。そのためどうしても過去の他の作品と比較してしまう。

近未来を舞台に架空の国を相手にして勃発する「有事」。物語の主役たる空母それ自体が架空のものだ。ミリタリーファン的な視点をとると空母にはロマンがある。海軍でありながら航空戦力を持つ。思えば『トップガン』も空母の物語であったし、アメリカには『スーパーキャリア』という空母を舞台にしたドラマもあった。

本作はその名も『空母いぶき』。空母を描きたい作品だ。しかし「空母かっこいいだろう」という少年的無邪気さではない。マイケル・ベイ監督あたりだと「兵器見せたいから作りました」みたいなあっけらかんとした作品をド派手に出してきて、かっこよければそれでよし、という潔さを感じるわけだが、無論本作はそんな風にはならない。そのぐらい底抜けであれば逆に好感が持てただろうが、どうも中途半端な印象を受ける。

有事の際に日本政府はどのように動くのか。防衛のための戦力である自衛隊をどのように行使するのか。きれいごとが通じない状況に陥ったとき、なにが正しいのか。思えば『亡国のイージス』などもそういうことを描いていたし、小説では村上龍の『半島を出よ』が大変な迫力でそれを描いている。

本作はそういうテーマを描くという意味で、あまり成功しているとは思えない。原因はいくつかある。まず架空の空母いぶきのデザインが漫画っぽいことが挙げられる。ついでいぶきの艦長の人物像がわかりにくい。そしてそもそも仮想敵となっている架空の国の成立した背景に説得力がなく、攻撃の意図もよくわからない。ストーリー上の理由はもちろんあるものの、それにしてはやっていることの規模が大きすぎやしないか、という問題がある。そしてこの「敵の意図が見えない」状態は解消されないまま事態が収拾し、結局わからないまま終わってしまう。

俳優陣は見事で一人一人の演技も見応えがある。それなのに見終えた印象は「結局かっこいい兵器を見せたかっただけ」というものになってしまっているように思う。

関連スポット

シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

早乙女カナコの場合は
人間模様を丁寧に描く、とても静かな恋愛映画である。安易に「恋愛映画」と書いたけれど、これはそんな安っぽいカテゴライズで括るにはもったいない映画だ。恋愛映画が好き... (3月21日)
名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN
シンガー・ソングライターでノーベル賞を受賞した、現時点での唯一の存在であるボブ・ディラン。本作は彼の半生から初期のごく短い期間にフォーカスして描いた伝記的映画作... (3月7日)
キャプテン・アメリカ: ブレイブ・ニュー・ワールド
言わずと知れたおなじみのタイトルだが、かつてのスティーブ・ロジャースではない、新しいキャプテンである。一旦第一世代とも言うべき時代が終わったアベンジャーズシリー... (2月21日)
ショウタイムセブン
報道番組の生放送を舞台に、爆弾テロ犯とのリアルタイムのやり取りを描くスリリングな作品。少々突飛な事件ではあるもののいつ何が起きてもおかしくない緊張感がそこかしこ... (2月14日)
室町無頼
室町時代中期、応仁の乱の五年ほど前に京都で蜂起した寛正の土一揆の大将、蓮田兵衛を描いた時代小説の映画化である。時は室町時代中期、いわゆる長禄・寛正の飢饉と呼ばれ... (1月24日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2025年4月4日号
2025年4月4日号
旭川でも栽培が広がる サツマイモの魅力を 広めるプロジェクト始動
紙面を見る

ピックアップ

つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える季節の食材を使った絶品レシピをご紹介
注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
味な人
味な人
北北海道で食に携わる人々の横顔をご紹介
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!サラダ編
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
4/1〜7の星占い

ページの最上段に戻る