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- 料理の世界を目指す学生たちに伝えたいことは、「調理法がどうとか、難しいことはさておき、とにかく、食に関心を持って色々なものをよく食べること」。自身も食べ歩きが大好きで、車で積丹までウニを食べに行って、岬の湯に浸かって、日帰りするような休日を過ごします
昭和57年、前身の旭川調理専修学校を卒業。旭川、札幌、東京で日本料理の修業を積み、20年ほど前から母校の客員講師を兼務。2017年春に同校校長に就任しました。
「とにかく食べることが大好きな子供だった」という前川原さん。故郷の南富良野町では、まわりの環境すべてが食材の宝庫でした。自宅の畑はもちろん、山で山菜やキノコを採ってきたり、川でヤマメやイトウを釣ってきては、自分で料理していました。小学校の高学年になると、冷蔵庫のありもので家族の晩ごはんを、ちゃちゃっと作るほどの腕前に。「同じ食材でも季節が変われば、水分量なんかも変わる。だからレシピを書いてと言われるのが今でも苦手」。自分の舌で確認してから最後のさじ加減で味を決める、プロならではのこだわりです。
東京の日本料理店では、店長と調理長を兼務していたため、経営感覚も磨かれました。学校の実習レストランでは、学生の料理だから価格は安くてもよい、という考えは持ちません。「原価ぎりぎりの100円で集客するのではなく、どうすれば付加価値がついて200円で売れるのか。それを考えて工夫するのが料理人の仕事」と言い切ります。厨房でいま自分が作っている料理が、どんな価格で提供されているのかに関心を持つ。コスト感覚は、料理人の向学心につながります。
さらに、学校教育で重視しているのが、コミュニケーション力。自分が提供する料理を、どのようにお客さんにプレゼンテーションするか。それは季節との関係や慣習だったり、古来からの合理的な美しさだったりもします。「私は日本料理が専門なので、特に強く思うのかもしれませんが、季節や風土と深く結びついた伝統的な料理を、次の世代にもつないでいきたい」。