1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. 生活
  4. ロケットマン

孤独の中で燃えつきる男

ロケットマン

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒ2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

フレディ・マーキュリーの半生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットも記憶に新しい中、今度はエルトン・ジョンを描いた映画がやってきた。フレディは故人だがエルトンはご存命で、本作はなんとエルトン本人が製作総指揮を務めている。そのためこの作品は言わば「公式」の伝記映画と言える。エルトン・ジョン?誰?という人もいるかもしれないが、この映画を見て、流れる曲を一つも知らないという人は少ないのではないか。どれか一曲ぐらい、聞き覚えのある曲があるだろう。

エルトン・ジョンと言えば奇抜な衣装やド派手なステージと、それと相反するような美しいメロディとピアノという印象があり、押しも押されもしない歴史的なポップスターである。でもよく聞くと歌詞には悲哀が溢れているし、薬物中毒のリハビリで活動を中断したり、過激な発言で物議をかもしたりと、かなりピーキーな人物としても知られている。スターダムにのし上がるには繊細過ぎた男の寂しさと哀しさ。改めて聴くと盟友バーニー・トーピンはエルトンの心の叫びを歌詞として紡ぎ出していたようにも見える。孤独な天才の半生はそれ自体が歌であり、詩であり、そして映画なのだ。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

伝記映画にネタバレもなにもないのでこの映画はネタバレを気にせず見てもらえると思う。描かれているのはエルトン・ジョンの半生で、1990年ごろ薬物やアルコールの依存症を厚生するための施設に入ったあたりまでのエピソードで構成されている。本人が製作総指揮をしていることもあり、少々美化されているとみるべきなのかもしれない。おそらく実際のところ多少美化されているだろうが、ここに描かれている心の底が凍ってしまうような寂しさというのはエルトン・ジョンという人の根っこにずっとあるもので、そこに嘘はないだろうと感じる。この作品を見ると、まさに彼の歌ってきた歌詞は彼自身の孤独を歌っているように見えてくる。しかしその多くを書いたのは彼自身ではなく、盟友のバーニー・トーピンなのだ。改めてバーニーこそエルトンの一番の理解者なのだろうと思う。作中でバーニーが「僕は君を愛しているが、そういう愛じゃない」と言う場面がある。それを受けてエルトンも「わかっている」と答える。同性愛者であるエルトンとそうでないバーニーがこの絶妙な距離感で、その後一時縁遠くなった時期はあったものの、現在まで関係を維持できていることが、おそらくエルトンにとって大きな救いとなっているのだろう。バーニーの紡ぎ出す歌詞はエルトンの心の叫びのようだ。きっと本人が書く以上に。

なりたい自分とはなにか。本来の自分とはなにか。そうしたことに迷いや悩みを持っている人にこそ、エルトン・ジョンの歌は響くだろう。『ボヘミアン・ラプソディ』で初めてクイーンの音楽に触れた人が大勢いたように、『ロケットマン』を見てエルトン・ジョンの歌に溺れる人が大勢出てくるだろうし、出てきてほしい。心を揺さぶるような歌がここには溢れている。

関連スポット

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場
シネプレックス旭川

シネプレックス旭川

住所:旭川市永山12条3丁目ウエスタンパワーズ内

TEL:0570-783-882

永山/アミューズメント

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
前作から二十四年。さらにひどいことになっているローマを舞台に繰り広げられるグラディエーターの物語。前作にも登場した皇帝の娘であるルシラは、前作の主人公だったマキ... (11月22日)
本心
AIやロボティクスの技術が発達し、自ら死を選ぶ自由死という制度がある近未来を舞台にしたある種のSF作品である。母親が「大切な話がある」と言い残したまま自由死で死... (11月15日)
破墓/パミョ
韓国からやってきたホラー・サスペンス。予告編を見たときの印象はそんな感じだったのだけれど、見てみたらそんなありきたりなカテゴライズでは語れない、想像を軽く超えて... (10月25日)
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版
昨年公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の本当の姿、真正版である。R15指定とすることで本来表現したかった内容を盛り込んだものだそうだ。この物語のおぞましさを描... (10月11日)
ビートルジュース ビートルジュース
ティム・バートン監督によるホラー・コメディということで、伝家の宝刀的な作品と言える。実は35年前の一作目の35年後を描いた続編でもあり、主要キャストがそのまま続... (10月4日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2024年11月19日号
2024年11月19日号
アルベロが東光に移転 コース料理を中心とした ランチを楽しめるお店に
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!魚料理編
みらい農家
みらい農家
地域の未来を耕す人たちを紹介します
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える 季節の食材を使った 絶品レシピをご紹介
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
11/19〜25の星占い

ページの最上段に戻る