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- 10月下旬ごろまでりんご狩りを実施、12月下旬まで直売所を運営。比較的平らな土地も多く、車イスで福祉施設の利用者も果物狩りに訪れます。「おいしくて夢中になって、帰りに杖を忘れていく人もいるんですよ」と笑います
神居古潭の「ふじくらますも果樹園」3代目・鈴木智也さんは、約10年前に祖父・増茂聡さんの果樹園を継ぎました。
「この子はこの果樹園で育ったようなもんだからね」と聡さん。智也さんの実家も野菜農家で両親は忙しく、智也さんは小さな頃から祖父の果樹園に預けられました。りんご畑を駆けまわり、3歳を迎える頃には聡さんと一緒にりんごを売っていました。
しかし、高校生の時「農家になりたい」と智也さんが言い出した時は、両親も祖父も大反対。社会勉強ということで、一度建築系の仕事に就きましたが、やっぱり農家になりたいという気持ちは諦めきれませんでした。智也さんが22歳の時、当時73歳の聡さんが離農を考え始めていて、「今しかない」と果樹園を継ぐ決意をしました。
「10年辛抱してみるか」と聡さんの指導の下、独特の微生物栽培に取り組んできました。現在、一通りの作業はこなせるようになりましたが、収穫は今も聡さんが担当します。「完熟したりんごの見分け方は、実はとても難しいんです。赤ければいいってものでもない。僕は少し時間がかかるのですが、祖父はりんごに触った瞬間にわかる。やっぱり60年の経験ってすごいです」と智也さん。
忙しい農作業の合間には、イベントに出店したり、小学校へ特別授業に出向いたり、高校生と新しいりんごの使い道を模索してみたりとさまざまなことに挑戦しています。「自分たちじゃ思いつかない考えにも、いろいろな人と関わると出合える。作るだけじゃなく、食べる側から考える売り方にもつながります。そして自分の果樹園より、とにかく旭川の果樹を知ってもらいたいんです」と熱く語ります。その横顔には、この地域の農業の未来を背負って立つ覚悟のようなものが見えました。