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信じて、託す

ラーヤと龍の王国

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詐欺が横行し、知らない人を簡単に信用しない、というのが半ば常識化している現在。ニュースなどで入ってくる情報からも、「もはや誰も信じられない」と思わされることが増えているような気がする。誰かを信じて何もかも託すなんてこと、できますか?例えば誰か身近な人が、そんな風に誰かに何かを託そうとしていたら、「ちょっとまって、そんなに信用しないほうがいいよ」と言ってしまいそうではありませんか?

信頼のハードルがどんどん上がっていく現在、互いに信じあうことが生み出す大きな力について説く本作。信じることは力になる。それを子どもたちに伝えたい。とてもよくわかる。しかし残念ながら、世界がそれを許容できるほど成熟していない。この作品を見て「そうか人を信じることは大切なんだ」と思った子どもに対して、「それでも人を信用したらいけません」と教えなければならないだろう。映画が間違っているのか、それとも世界が間違っているのか。

本作に通底しているテーマは熱く心を打つが、前述のようにそれが現実と大きく乖離していて空々しい。そしてその事実がやりきれない後味となる。いつかこの作品を無垢に信じられるような世界は訪れるだろうか。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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壮大な歴史背景を持つエキゾチックファンタジー。それをわずか100分程度に収めようとしているので慌ただしさが目立つ。冒頭、こういう作品にありがちな、それまでの歴史背景を駆け足で紹介するモノローグから始まる。本作に描かれている物語は500年前の出来事と関連があり、主に500年前に何が起きたのか、ここで語られる。しかしこの500年という数字が極めて適当に考えられたものに見える。500年間で人々がどのように復興、発展してきたのか、500年あればどのぐらいの変化があるのか、そういったことがまともに考えられているとは思えない「500年」なのだ。ファンタジーとは世界を作り出すジャンルだけれど、この作品は描きたい要素を描くために世界をでっち上げたようにしか見えないのだ。ディズニー作品にしては少々奥行きが浅い印象を受ける。

モノローグが明けて主人公の冒険譚に入っていくわけだが、ここでもプロローグ的な話が描かれたあと一気に6年が経過する。この6年は、プロローグで12歳だった主人公の少女を18歳にしたかっただけに見える。6年間、彼女は龍を探してきたことになっているのだが、その道中にもいろいろあるはずだ。なにしろ川は、五つの国に分断されたこの地に、国境に関係なく張り巡らされているはずだからだ。彼女は結局、最後の一本の川で目的の龍を発見することになるのだが、なぜ最後までこの川に至らなかったのかという理由もなければ、道中で五つの国を渡り歩いて起こったであろうあれこれもない。「最後の一つで目的に達した」という都合のいい設定にしか見えないのだ。

本筋の物語はこの龍と出会ってから始まる。そこから今度は龍の石のかけらを求め、五つの国を訪れることになる。五つの石はそれぞれの盟主が保管しており、簡単には手に入らない。しかしそれを五つ全部描いていれば100分程度の映画には収まらない。そこでご都合主義的設定をありったけ詰め込んでしまう。石を管理している盟主はとっくに死んでいたとか、国そのものが一人を残して全滅していたとかいう、いくらなんでもそんなことが他国に知られないまま放置されないだろう、という要素が登場する。このあたりでもう完全に興が覚めてしまうのだ。本来これは三部作ぐらいでやるようなストーリーで、一本にまとめることには無理がある。それに挑んだと言えなくもないが、結果としてご都合主義にまみれた駆け足の作品ができたのでは、挑んだことを評価するという話にもなりにくい。

ラストは考えうる限り最高のハッピーエンドだ。何もかも万事、見事に解決する。一つも苦い後味が無く、隅々まで全部丸く収まる。その空々しさもまたひどい。これによってあまりにも嘘くさい話になってしまったのだ。逆説的に、「互いを信じることで世界を一つにする」というのはこのぐらい嘘くさい話である、というメッセージだとすれば驚嘆すべき作品とも言えるが、おそらくそういう意図ではなかろう。

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