1. ライナーウェブ
  2. ニュース&記事
  3. おでかけ
  4. バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~

シネマの、時間

バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~

この記事は最終更新日から1年以上経過しています。
内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
ⓒ2021「映画 バイプレイヤーズ」製作委員会

俳優たちが自主制作で映画を作ろうとする、まさに映画好きのための映画。この作品はテレビドラマを受けての劇場版であるけれども、過去の作品を知らなくても十分楽しめる。シリーズを通して本作にも数多くのパロディが盛り込まれているが、それも元ネタを知らなくても楽しめる。

本作は少し風変りな作品で、俳優たちはほとんどが本人の役として出演している。つまりテレビの番組制作や映画制作の舞台裏を、俳優たちの視点で描いたメタ・フィクションならぬメタ映画なのだ。

特に本作は100人の俳優で映画を作る、という話で、本当にそのぐらいの人数が登場する。あの人もこの人もいる。豪華俳優陣といった言葉は月並みだけれど、この作品のそれはちょっとレベルが違う。主役級の顔ぶれだけでもとんでもないのに、劇中劇としていくつものドラマが登場し、それぞれに豪華な出演者がいる。ほんとうに、よくこんな作品が実現したものだと思う。

日本の映画シーンに訪れつつある変革と、それが連れてくる変わりゆくものへの哀愁と期待のないまぜになった空気。変わらずにそこにある映画を愛す人々の姿。この映画にはまさに、シネマの時間が流れているのだ。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

もっと読む

普段私は、映画は結構見るけれどテレビはほとんど見ない。そのため、この作品の過去のシリーズは見たことがなかった。今回映画版で初めて体験した。

この作品は富士山の近くにあるという撮影所を舞台にした物語だ。そこの所長という人が伏せられていて、「所長」という呼称でのみ登場し、姿が登場しない。私はこの所長の正体をラストシーンで初めて知ることになったのだけれど、過去のシリーズを見ている人であればすぐに気づくのだろう。

シリーズものの劇場版だが過去作を知らなくても十分に楽しめた。むしろ冒頭のシーンなどは、知らないがゆえに驚きが大きく、かえって楽しめたぐらいかもしれない。ちりばめられたパロディの数々は正直なところテレビドラマをほとんど見ない私にはわからなかったけれど、どこかで見たような絵てこんな雰囲気の作品があったはず、という程度にはわかり、それで十分楽しめる。

バイプレイヤーというのは脇役のことだそうで、その名の通り、この作品には脇で光る俳優が大勢登場する。普段から主役級の人ほどこの作品では脇役で、いろいろな映画で重要な脇役を演じてきた人たちがここでは主役だ。でも本作を見ればわかるように、もはや主役も脇役もない。劇中劇がいくつも登場し、そのそれぞれにも主役がいれば脇役もいる。劇中劇の主役が全体としては脇だったりもするし、逆もまた然り。劇中劇は俳優自身にとっても複雑なもので、芝居をしている芝居と、芝居をしていない芝居が混在することになる。このような難しい芝居をごく自然に演じ切っている俳優たち。シリアスとコメディも絶妙なバランスでせめぎ合っていて、主役も脇役もなくどの役柄も難しい。大変なものを見たのではないかという気がしてくる。

どういうカラクリでこれほどの出演者を集めることが可能だったのかと思うが、きっとこれほどの顔ぶれを集めるのは簡単ではなかろう。そうそう見られるものではないという気がする。この作品に出会えたことに感謝したい。

関連スポット

イオンシネマ旭川駅前

道北最大級の8スクリーン1,200席

イオンシネマ旭川駅前

住所:旭川市宮下通7丁目2番5号 イオンモール旭川駅前4F

TEL:0166-74-6411/駐車場:900台

宮下通/アミューズメント

  • 駐車場

関連キーワード

シネマの時間 バックナンバー

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
前作から二十四年。さらにひどいことになっているローマを舞台に繰り広げられるグラディエーターの物語。前作にも登場した皇帝の娘であるルシラは、前作の主人公だったマキ... (11月22日)
本心
AIやロボティクスの技術が発達し、自ら死を選ぶ自由死という制度がある近未来を舞台にしたある種のSF作品である。母親が「大切な話がある」と言い残したまま自由死で死... (11月15日)
破墓/パミョ
韓国からやってきたホラー・サスペンス。予告編を見たときの印象はそんな感じだったのだけれど、見てみたらそんなありきたりなカテゴライズでは語れない、想像を軽く超えて... (10月25日)
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版
昨年公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の本当の姿、真正版である。R15指定とすることで本来表現したかった内容を盛り込んだものだそうだ。この物語のおぞましさを描... (10月11日)
ビートルジュース ビートルジュース
ティム・バートン監督によるホラー・コメディということで、伝家の宝刀的な作品と言える。実は35年前の一作目の35年後を描いた続編でもあり、主要キャストがそのまま続... (10月4日)
PRインターネット広告掲載はこちら »

ニュース / キーワード

ようこそ、ゲストさん

メールアドレス
パスワード

※パスワードを忘れた方はこちら

はじめての方はこちら

アカウント作成

ライナー最新号

2024年11月19日号
2024年11月19日号
アルベロが東光に移転 コース料理を中心とした ランチを楽しめるお店に
紙面を見る

ピックアップ

注目グルメ
注目グルメ
定番から新作まで ライナーが今注目する お店の味はこれだ!
シネマの時間
シネマの時間
映画ライター・ケン坊が語る新作映画とそのみどころ
スーパーのお惣菜
スーパーのお惣菜
スーパーうまい!魚料理編
みらい農家
みらい農家
地域の未来を耕す人たちを紹介します
つくろう旬レシピ
つくろう旬レシピ
プロの料理人が教える 季節の食材を使った 絶品レシピをご紹介
ものぴりか
ものぴりか
ライナーが集めてきた 地元の素敵な品々を紹介します
不動産情報
不動産情報
不動産・リフォーム等 住まいに関する情報を公開中
クーポン
クーポン
お得なクーポンを公開中
お知らせ
お知らせ
お店・スポットの お知らせ
ラーメンマップ
ラーメンマップ
ラーメン食べたいなぁ そんなときは専用マップで探してみよう
開店・移転・閉店
開店・移転・閉店
旭川市・近郊エリアの新店や創業などの話題。情報提供も歓迎!
星占い
星占い
11/19〜25の星占い

ページの最上段に戻る