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- ⓒMarvel Studios 2021
待ちに待ったマーベル作品は映画の封切と同時にディズニー+でもオンライン配信を始めるというスタイルで公開された。さすがマーベルさん。わかっていらっしゃる。配信があるなら配信でいいや、というタイプの作品ではないため、映画館よりも安い金額で配信したところで観客動員にあまり影響はないだろう。むしろ配信を見て面白かったから映画館へ行く、という人もいそうだ。
本作はシビル・ウォーの時にアベンジャーズから離反したナターシャが、インフィニティ・ウォーで戻ってくるまでの間に起こった出来事を描いている。そのためある程度アベンジャーズシリーズのストーリーを知っていた方が楽しめるが、本作単体でもアクション大作として十二分に面白い。
私はこれを4DXで鑑賞した。まさに映画「体験」。格闘シーンなどは揺れが激しくて何が起きているのかよく見えないけれど、その分没入感がすごい。映画は中に入って楽しむ物になっていくのかもしれない。加えて、劇場公開と同時に配信を開始するというスタイルも映画の在り方を変革するような気がする。
本編終了後のエンドロールが終わったあと、おまけとして次へつながる布石のような映像が入るのでお見逃しなく。(映画ライター・ケン坊)
ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム
この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。
アベンジャーズの一員であるブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフを主人公にしたスピンオフ作品。そういう位置づけのものなので当然ながらアベンジャーズシリーズを知っていることが前提になった作り方ではある。少なくともナターシャ・ロマノフというキャラクタをある程度知っていると楽しみが大きくなる。
本作で重要なのはナターシャの妹だ。ナターシャ本人は本作の時間軸の後、エンド・ゲームの際に命を落としており、その事実を知らないと本作でエンドロールの後にある映像は意味がわからないだろう。希望を感じるラストシーンの後エンドロールを挟み、いきなりナターシャの墓が登場する。これはラストシーンの後インフィニティ・ウォー、エンド・ゲームの物語があり、エンドロール後の映像につながる、という仕掛けになっているためだ。マーベル・シネマティック・ユニバースの時間軸では既にナターシャ亡き後であるが、本作によってそこにナターシャの妹としてエレーナ・ベロワが登場する。エンドロール後に入る映像で確かにエレーナとアベンジャーズに接点の気配を感じさせている。エレーナこそが次なるブラック・ウィドウとなるのであろう。
マーベル作品はこのようにミッシング・リンクを補完しながら新作が公開されていくため、パズルを組み上げるようにして多くのキャラクタたちが物語を紡いでいく。まだしばらく目が離せそうにない。