内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
- ⓒ2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM &ⓒDC Comics
バットマンやスーパーマンを擁するDCコミックスのダークヒーローが映画として登場。マーベルに比べてどうも地味な印象のあるDC。そこに登場したブラックアダム。この作品が出てきたことの最も大きな意味は、大人気俳優のドウェイン・ジョンソンがDCのシリーズに参戦したという一点に収束している気がする。本来このキャラクタは先に映画化されているシャザムの敵という位置づけのはずだが本作にシャザム本人は登場せず、言葉のみが登場している。シャザムとの関係がよくわからないままだがDCの他キャラクタとの交わりは描かれ、今後DCユニバースのシリーズに登場してくるであろうことが予想される。つまり今後DC作品にはブラックアダムとしてドウェイン・ジョンソンが出せるということで、キャラクタ以上に俳優のパワーが強力だ。
桁外れの強さを誇るキャラクタをドウェイン・ジョンソンが演じているので他の要素はどうでもよくなり、ド派手にあれこれぶっ壊れて痛快である。ストーリー展開やキャラクタのパワーバランスなどがあちこち崩壊しているけれどドウェイン・ジョンソンが大暴れすれば万事OK。もはや俳優本人がヒーローよりも存在感を持っているのである。(映画ライター・ケン坊)
ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム
この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。
DCのダークヒーローであるブラックアダム。本来はシャザムの敵という位置づけのキャラクタだが本作にシャザムは出てこない。シャザムと同じく「シャザム」という言葉でスーパーパワーを得る場面が描かれ、シャザムと同じようないなづま模様が胸に刻まれている。あまりにシャザム感があるので、映画でしかシャザムを知らない視聴者(おそらく多くがそうであろう)に向けてわかるような補足があると良かった気がする。
本作にはジャスティス・ソサエティとしてたいした説明もなくホークマン。ドクター・フェイト、アトム・スマッシャー、サイクロンという4人が登場する。が、いずれもDCコミックのヒーローに詳しくないとわからないキャラクターで、よく知らない人にはどうしても劣化アベンジャーズにしか見えない。今回ホークマンが持ち出す飛行機はアイアンマンがアベンジャーズで使用したものと似たデザインで、その辺も劣化アベンジャーズ感を醸し出している。
さらに、DCのヒーローはパワーバランスに問題がありすぎるため、今回登場する4人は全員ブラックアダムに対して弱すぎる。ジャスティスリーグもそうだが、スーパーマン一人が圧倒的に強すぎて他のキャラクタがかすむという問題がある。この辺マーベルの作品はよくできていると改めて思う。ストーリー展開も無理があり、ホークマンたちがブラックアダムの力を奪って封印した直後、悪の権化みたいなキャラクタが登場して、あっという間に掌を返してブラックアダムを呼び戻している。この封印してから呼び戻すまでの時間が短すぎて、図らずもジャスティスソサエティのダメさを露呈したような印象になっている。
本作はブラックアダムが封印からの復活後、その圧倒的な力を民のために使う決断をするという物語が描かれてエンドロールを迎える。ラストシーンにはDCが誇る最強のヒーロー、スーパーマンがほんの少しだけ登場する。ブラックアダムを倒せるものは「この星には」いないという話が語られ、その直後にスーパーマンが登場するのだ。この星にはいないがよその星から来た彼なら倒せるというわけ。スーパーマンが現れたので、今後DCユニバースものにブラックアダムが登場するのはほとんど間違いないだろう。ただでさえバランスの取れないDCヒーローズに、またパワーインフレの行き過ぎたキャラクタが入ってきて、もはやどういう敵を出せばいいのか見当もつかない。