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内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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- 釧路出身の35歳。食肉加工を手掛ける同社の執行役員として、製造から広報まで多岐に渡り活躍しています。炭豚の飼育のほか、東川町で原木椎茸や原木なめこの栽培、趣味でピアノ演奏にも挑戦中
この土地ならではの付加価値を持ったブランド肉を作りたいと、今春から放牧豚の飼育を始めました。牧場の隣にある製炭所の木炭粉末をはじめ、近隣農家の野菜や酒蔵の酒粕、製麺会社の麺など、エサの98%以上を周辺事業者から出る副産物でまかなっています。約半年かけて大切に育てられた豚たちは、今月から「炭豚(たんとん)」という名前で商品化されました。
肥育期間中は朝から晩まで豚のことを考え、毎日牧場に通った阿部さん。6次産業化を目指し一人で始めた試みは、徐々に周りを巻き込み始めます。見学にくる友人や仕事仲間が増え、ジャズピアニストは牧場で得たインスピレーションを元に作曲したり、写真家や絵本作家と豚の成長過程を記録した写真・絵画展を開いたり。道外のレストランとも取引が始まり、豚が繋いだ縁を感じています。
今回の初出荷で、良い商品ができたという喜びや達成感以上に、大きな変化を感じました。「商品になるのは、1頭のうちの約7割。よりよい加工方法や、通常は食べない部位をどうしたらおいしくできるかなど、肉に対する思いがより強くなりました」。
阿部さんの真摯でフランクな人柄に人が集まり、また新たな価値が生まれる。掛け算で広がる今後の展開に注目です。