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今年もあっという間に年末スペシャル!2022年に公開された映画を振り返りながら、シチュエーション別おすすめ映画をどどんと紹介します。年末年始のお休みにゆっくり映画でも楽しもうかな、というあなた!ぜひこれを読んで、レンタルや配信で見逃していたあの作品に出会っちゃってください。(映画ライター・ケン坊)
しんみり泣きたい時、スカッと笑いたい時に
KAPPEI
どこかで見たような少年漫画的世紀末救世主がそのまま現実世界に出てくるという、奇想天外なコメディ。とことん突き抜けた世界観と俳優陣の振り切れた芝居で最高にバカバカしい笑いを提供してくれる。そもそものヒーロー感自体が時代錯誤的であり、そのまま現代に出てきてしまうのでちぐはぐぶりが面白い。何も考えずに大笑いしたい人におすすめ。
クライ・マッチョ
クリント・イーストウッド扮する老人が、恩人の息子をメキシコまで連れ戻しに行くというお話。現地で力を持っている恩人の前妻が全力で妨害してきて、それを交わしながら国境線を目指すというロードムービーだが、思いの外サスペンス要素ではなく、老人と少年の交流、現地で出会う人々との交流などが中心に描かれる。何を想い、何を選ぶのかという選択の物語をイーストウッド老練の芝居で満喫できる。
アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド
高性能なアンドロイドで理想の伴侶を作るという試みを描いたSFコメディ。どれほど人間に似ていても機械はあくまで機械、ロボットであるという風にしか見ることができない学者の主人公が、彼女のために用意されたハンサムなアンドロイドと繰り広げる悲喜こもごも。アンドロイドの滑稽な挙動に笑いながら、いつの間にか「人とはなにか」「愛とはなにか」を考えさせられるとても見ごたえのある作品だ。
青春を追体験したいあなたへ
やがて海へと届く
いなくなってしまった大切な存在。その欠けた穴をどのように埋め合わせて生きて行くのか。不在の人と残された人を描く作品だが、いなくなってしまった親友との回想を中心に描かれていて、ある種の青春映画として楽しめる。よく知っているはずの大切な相手がいざいなくなってしまうと、その人について何も知らなかったのではないかと思えてくる。そんな物語をゆっくりじっくりと描いた緩やかな一作。記録が呼び起こす記憶の物語を見ていると、この時代以上に個人の記録を残しやすい今、何を残しておくかということを改めて考えさせられる。
ベルイマン島にて
ちょっと不思議な要素を入れることで多面的な描き方をした恋愛映画。タイトルのベルイマンは巨匠イングマール・ベルイマンから来ている名だが、ベルイマン映画を一つも知らなくても何ら問題ない。現代的な問題意識も取り入れ、ファンタジックな要素も取り入れ、中年カップルが若き日の恋愛を追体験するようなストーリーを描く。超常的な物語でありながら身に覚えがあるような不思議な作品。
ゾクゾクしたい人におくるサスペンス
オペレーション・ミンスミート〜ナチを欺いた死体〜
第二次世界大戦時のスパイ合戦を描いた実話ベースの作品で、主にナチスドイツに対して連合国側が欺瞞作戦を展開する内容が描かれる。各国に配置された各国のスパイ。その中には二重スパイ、三重スパイなどもいて、誰が誰をだましているのか複雑に絡み合っている。通信網もレーダー網も今ほど進歩していなかった当時、スパイの暗躍は今以上に重要だったことが伺える。連合国の運命を分けた作戦の裏側を垣間見る映画だ。
スティルウォーター
異国の地で殺人容疑により収監されてしまった娘。娘のために五年前の殺人事件の真相を追い始める主人公。本作はマット・デイモン演じるこの主人公の行動を追いながら現地の人との交流を描き、家族の形を問いかける。言わば家族を維持できなかった男の再生の物語で、中盤からのスリリングな展開と想像を超える真相にヒリヒリする。良かれと思ったことが良い結果を連れてくるとは限らないのである。
家族や恋人とまったり過ごすお供に
君を想い、バスに乗る
妻を亡くした老紳士が、イギリス本土を北の端から南の端までバスを乗り継いで縦断するロードムービー。道中で起こるいろいろなエピソードと、少しずつ明らかになる彼と亡き妻との物語。大きな事件が起こるわけではないのに目が離せない。彼は必死に、ひたむきに南を目指すが目的は最後まで明かされない。自分にとって大切なことに命を賭して挑む老人とそれを見守る人々を描く一作。
でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード
絵本の映画化で、Netflixでは13+(13歳以上推奨)のレイティングがされているため、子ども用設定のアカウントでは見られないが、内容的に気になるシーンはほとんどない(強いて言えば子どもがトラックを運転するシーンがある)。「みんな違ってみんな良い」をとてもわかりやすく伝えてくれる映画で、個人的には子どもと一緒に見たい作品なのだが、一応レイティングを考慮したうえでご視聴いただきたい。
ケン坊って何者?
この連載もすでに10年以上続けているので今さらではあるのだが、ケン坊とは一体何者なのかという謎があると言われ、自己紹介をしてみようと思う。なお、ケン坊というのは小学生の頃のあだ名で、もう30年以上その名で私を呼ぶ人はいない。
好きのはじまり
小学校に上がる前テレビで「スターウォーズ」を見て映画にハマり、小学生の頃の将来の夢は「ジョージ・ルーカスになること」だった。当時は今よりも多くの映画がテレビ放送されており、それを片っ端から見るような子どもで、特に祖父はそれが子どもに見せて良い内容かを気にせず何でも私に見せた。それで私はきっと多くのことを映画から学んだ。主にSFやアクションを好み、中学に上がるとSFの小説も読み漁るようになった。余談だがSF小説にのめり込んだことで人生がおかしくなったのではないかと思っている。
執筆のきっかけ
高校卒業後は映画館に足を運ぶことが増え、年間100本以上を見るようになった。20代の頃、見た映画のことをブログに書き始める。このブログ自体はもう無いのだが、好きな映画監督の作品についてまとめた文章はものすごい量で印刷・ファイリングして今も手元にある。2006年に北海道へ移住した際、このブログをきっかけに映画の同人誌を作るチームに参加。この同人誌はかなり狂った内容のもので、私もここにクレイジーな文章を書いており、これをライナーの編集長に気に入って貰ったのが「シネマの時間」を始めるきっかけに。
ほかにもいろいろ
今は家族もいるので本数こそだいぶ減ったものの、それでも毎週一本は映画館で映画を見ており、配信で見ることも増えた。他に本名の名義で音楽系の書籍を、別名義では小説をはじめとした文芸作品を書いたり、映画のことを話すPodcastを配信したりもしている。とにかくなにかコンテンツを作るのが好きで、それを作るためのカメラとか音響関係の道具も大好きであらゆる沼にすぐハマるのでまったくお金は貯まらない。本名名義のnoteはhttps://note.com/ken_taguma(停滞中)