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内容のー部もしくは全部が変更されてる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
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- 茨城県結城市の老舗・結城酒造の杜氏。結婚を機に15年ほど前から酒造りに携わるようになりました。復興には長い時間が必要ですが、三千櫻の山田さんのもと、いま叶うことに前向きに、全力で取り組んでいます
創業は江戸時代。茨城県の歴史ある酒蔵が焼け落ちたのは昨年5月でした。酒を熱処理する火入れ作業時に燃え移り、蔵と自宅が全焼。「結婚を機に杜氏になって15年、さらに腰を据えて酒造りを、と思っていた矢先。ショックでした」と振り返ります。
失意の美智子さんに手を差し伸べたのが、3年前に岐阜から東川に移転開業した三千櫻酒造の社長・山田耕司さん(左)でした。「再建まで酒造りができないのでは腕が鈍る」と、東川での醸造を提案。二人はかねてから交流があり、実は火事の直前にも、三千櫻で結城酒造の酒を造っていた経緯があります。
9月、美智子さんは単身東川に移住。11月には三千櫻の設備を使い、新十津川産酒米きたしずくで醸す代表銘柄「結(ゆい)」を醸造しました。ふくよかな中に東川の水がクリアな余韻を描く仕上がりで、結城酒造の復活を願う人々に温かく迎えられ、瞬く間に完売。美智子さんは「私には酒造りしかないから、皆さんに飲んでもらえて本当に嬉しい」と顔を綻ばせます。
次回の醸造は3月。茨城県の別の蔵で酒造りを続ける夫の昌明さんが造る酒と2本セットで販売する予定です。一度は途切れかけた歴史の糸が、温かな縁で繋がれ、いま北の地で新しい物語として紡がれようとしています。
【三千櫻酒造】
東川町西2号北23番地
TEL 0166-82-6631
営業時間 10:00~15:00、事務所8:30~16:30
定休日 水曜・木曜