浦 久美さん

口癖は「一度しかない人生、やりたいことやろうよ！」。その言葉通り、自身も昨年大型バイクの免許を取得し、かつて夫に連れられて行ったバイクのイベントに今は自ら参加しています。

夫の浦洋一さんとともに営業していた西神楽の「タイムトンネル」は、チーズがとろける名物ドリアと、物静かながらバイクと他者への愛に溢れる洋一さんを慕うライダーが全国から通う有名店でした。2019年に洋一さんが他界したことで30年の歴史に幕を下ろしましたが、もう一度あのドリアを食べたいという友人たちの声に後押しされ、3年前に駅前ビルに自身の愛称を冠した「キッチンKOO(クー)」をオープン。そして昨夏、豊岡に店舗を移転しました。現在は洋一さんのレシピにアレンジを加えたKOOの味で、かつての常連だけでなく、新たなファンも獲得しています。

2人は久美さんが10代の頃に出会い、20年の時を経て結婚。ホール担当として、好きなものや友人に囲まれた幸せな毎日を過ごしていた矢先の洋一さんの不幸でした。「いつどうなるかわからない人生、やり残すことのないように、今は色んな人の背中を押してあげたいの」。1日1日を全力で楽しむ心と朗らかな笑顔で、今日もお客さんを優しく包み込んでいます。