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ド派手系サメ映画のまさかの続編。原作は「The Trench」というタイトルで、この映画の原題も『Meg 2: The Trench』である。つまり「モンスター」という言葉は邦題で付けられたもの。でもこれが言い得て妙というか、ほとんど怪獣映画なので邦題のほうが作品にマッチしている気がする。
サメ映画はB級映画ファンにはお馴染みのジャンルだが、ときどきこうして超メジャー級の作品が出てくる。前作の時にも相当驚かされたのだが、続編はさらに驚きが満載。とにかくあらゆる要素はメチャクチャであり、「そんなことあり得るの?」という部分が多い。しかしそんなことはどうでも良い。怪獣パニックなのである。思いつく限り最悪な事態が次々に起こり、シーンごとに最悪が更新されていく。それをマッチョなタフガイが超人的な行動で強引になんとかする。腹立たしい悪役もたくさん登場し、期待通り悪い奴ほどひどい目にあう。前作のヒットを受けてさらにスケールが拡大し、生き物は巨大化し、ドンパチも増え、何もかもエスカレートしている。
サメ映画に求められる痛快さが徹底的に詰め込まれているこの作品、ぜひ劇場の大画面で堪能してほしい。(映画ライター・ケン坊)
ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム
この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。
この映画にネタバレなどというものはない。多分サメが登場し、大ピンチになり、最後にはなんとかなる。誰もが予想するお話が展開される。ではそんなものは見てもしょうがないのかと言えばもちろんそんなことはない。結末が予想できていようとそんなことはどうでもよく、常に状況はヤバすぎてハラハラする。きっとなんとかなるとわかっていても面白い。
この映画の面白さは、変にリアリティに寄せていないところにある気がする。科学考証もいろいろ無理があり、本当にそんなことがあり得るのか、仮説レベルで成立するのかすら怪しい話が満載だが、とりあえずメガロドンを現代によみがえらせるための理屈がなんとなくついていれば良いのである。前作も相当ムチャだったが、本作はさらに上を行く。なんとメガロドンを「しつける」というムチャが行われ、それが一応ストーリーに組み込まれている。メガロドンが生き残っていたという部分について、見方によってはSFのようにも見ることができるのだが、やはり「怪獣映画」ぐらいに思って見るのが楽しいだろう。
終盤、クライマックスシーンで、ジェットスキーに乗ったジェイソン・ステイサムが、複数のメガロドンを相手に銛で立ち向かっていくクレイジーさこそ、この作品の最大の魅力だと思う。タフガイがタフすぎて笑いそうになる。底抜けこそ至高。「マジか!」と笑いながら見るのがこの作品を楽しむ秘訣だと思う。