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ディズニーランドの人気アトラクションを映画に、ということで訪れたことのある人には「あ!あれ!」と思うようなシーンが満載。もちろんお化けの館にまつわるお話なのだが、お話としてよくできていて、単なるアトラクションの映画化に留まらない良作である。
偶然お化け屋敷に引っ越してきてしまった母子を中心に、そのお化けを「なんとかする」ために呼ばれてきたいずれ劣らぬ怪しげな人たち。そのチグハグなメンバーが一丸となって悪霊と戦うわけだが、登場人物がみんな魅力的で楽しめる。ホーンテッドマンションを映画にして単なるスペクタクルにならず、ドラマとして見ごたえのあるものになっているのはさすがだ。
誰でも心に弱さを抱えていて、そこに付け込まれると間違った選択をしてしまいそうになることがあるかもしれない。そんなとき、誰かがそばにいてくれたら、ほんの一筋でも光が差し込みさえしたら、迷わずに済むかもしれない。自分の心の支えになる誰かは、ほんのちょっとした偶然によって出会ったどこの誰とも知らない怪しげな人なのかもしれない。小さい子どもにはちょっぴり怖いかもしれないけれど、ぜひ家族で見てほしい映画である。(映画ライター・ケン坊)
ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム
この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。
情報の出し方がとてもうまくできていて、詳細は後になるまでわからないけれど、序盤から必要最低限のことはわかるようになっている。次第に詳しいことが見えてきて、観客のそれぞれの人物への理解が深まるとともに、登場人物たちのきずなも深まっていく。この辺がとてもよくできているので話に入りやすい。ディズニーランドにあるホーンテッドマンションとのつながりもよく考えられていて、アトラクションを楽しんだことがある人なら思い当たるシーンが散りばめられている。それでいてストーリーもこじつけみたいなものではなく、よくできている。特に生きている人間として登場するキャラクタがみんな魅力的なのが良い。父親を亡くし、学校でもうまくコミュニケーションが取れない少年とその母親、お化け屋敷の除霊を頼まれたインチキな神父、神父に巻き込まれた主人公。そして彼らが頼っていく胡散臭い霊媒師とお化け屋敷マニアみたいな教授。まともじゃない顔ぶれだが極限状態で次第に絆を深めていき、最終的にはこれからの人生でかけがえのない友人になっていく。どんな出会いがどんな関係性につながっていくのか、わからないものだなぁと感じる。
お化け屋敷の中で、水晶玉に閉じ込められている大昔の霊媒師が登場するのだが、日本語吹替版だとこの霊媒師の役を小林幸子が演じている。その一点だけでも吹替版を見たくなるような配役だ。
映画を見てからディズニーランドへ行ったら、ホーンテッドマンションがまた一味違うものとして楽しめるかもしれない。