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魂が叫ぶ

キングダム
大将軍の帰還

©原泰久/集英社 ©2024映画「キングダム」製作委員会

震える。心の奥底が。実写版「キングダム」も四作目を迎え、物語は一つの大きな区切りとなる。このシリーズの作品は過去にも紹介していて毎度書いているような気がするけれど、シリーズの前の作品を見ていなくても、冒頭でこれまでのあらすじを見せてくれるので概ねついて行ける。「見たことないからなぁ」と言わず、ぜひ劇場に足を運んでほしい。この作品は大変な迫力で描かれているので、とにかく映画館で見てほしい。

前作のラスト、主人公たちの前にわけわからないほどの強さを誇る男が現れ、大ピンチであった。本作はまさにその続きから始まるため、冒頭からいきなり強敵とのバトルである。しかも勝ち目が全く無さそうな相手であるため、歴戦の戦士となった主人公たちも持てる力をすべて発揮する。久しぶりに全開の羌瘣(きょうかい)も見られる。

二時間四十分もある上映時間だが、退屈することは一切なく、入るときに買った飲み物を飲むのも忘れてエンドマークを迎えた。

ここまでの四作で描いてきた物語が一旦決着するので、見終えるとこれまでの四本を見直したくなるだろう。これ以上ない配役で実現した実写版。ぜひ堪能していただきたい。(映画ライター・ケン坊)

ケン坊がさらに語る!WEB限定おまけコラム

この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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王騎編のラストを飾る作品であり、王騎将軍の最期が描かれる。六将の一人が女性で、その女性の因縁を巡って豪のものが激突する、というのは北斗の拳を彷彿とさせるストーリーであるが、本作はこれまで秘められてきたその因縁が回想シーンを伴って展開される。王騎と因縁のある強敵、龐煖との一騎打ちのシーンはまさに本作のクライマックスと言える。龐煖はこの後も主人公信の強敵として対峙していく相手になるのだが、本作はその、信と龐煖との因縁が誕生したエピソードを描いており、この先のストーリーを含めても大きな転換点となる作品である。

かように重要な作品であるため、本作が面白くないはずはない。加えて、この「キングダム」の実写シリーズは、漫画原作、先行でアニメ作品が存在している、という状況において、最も成功していると言っても過言ではない。先にアニメがある状況での実写化は、多くのケースで否定的に受け取られることが多いのだが、本作はキャスティングも映像のスケールも一切の妥協無く作られているため、アニメのファンにも概ね好意的に受け入れられている。また、これまで数多くの映画を見てきた私から見ても、シンプルに映画として非常によくできていると思う。一瞬で惹き込まれるキャラクタの魅力、とんでもないスケールで描かれる合戦シーン等、原作のスケール間を些かも損なわない仕上がりである。

本作で王騎が散ったことで物語は大きな節目を迎えた。この先が引き続き実写化されていくのか、現時点ではまだわからない。この先を続けるとなると実写ならではの困難が浮彫になってくるだろう。それは時間の経過が早いことである。本来、本作に描かれたエピソードの時点で、主人公は15歳である。しかしもはやどう見ても15歳には見えない。実写作品は企画から完成まで何年もかかり、その間に俳優たちが年を取ってしまう。加えて「キングダム」のような作品は、作品世界の1年間で映画の何作分にもなるほどのエピソードが詰め込まれている。これを順番に映画化していくと、作中時間の1年分を作るのに10年かかったりするわけだ。このシリーズの実写版は素晴らしい出来栄えで、願わくば続きを見たいと思う。しかし現実問題、俳優の年齢ということを考えるとすでにこの先を作るのは難しいような気もする。実写作品のジレンマと言っても良いかもしれない。

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