
学食の、たしか一番安い定食の、主菜はハムカツと決まっていた。パン粉にソースがしみて飯が進む。これが美味しくて、四年間、定食といえばこれだった。
そんな青年がやがて呑兵衛に、じゃない、社会人になる。
東京の、下町に立ち寄ると、立ち呑み屋とか大衆酒場にはお約束のように置いてある。惣菜屋に至っては、店先で食べられるよう簡素なテーブルを置いて、ちゃっかりビールを売ったりもする。猥雑なムードの中で、ハムカツはハイカラだった。そんな世界に魅せられ、青年はハムカツの虜になった。
これが我がハムカツ愛の起源である(おい、前置きが長すぎ)。
大きさはいわゆるひと口大にして、衣はやや粗く、ザクザクとした食感が命。これが我が理想とするハムカツだ。
生い立ちはトンカツの代用品という説もあるが、我が身を肉と言わず、ハムと名乗ったその度胸は見上げたもの。ハムにはハムのウマさがあるぜと言ってるかのような厚切りの様は潔い。そう、粋なんだ。それがハムカツの味だ。
居酒屋 半蔵
旭川市2条通7丁目 ヨシタケビル2号館1F
PM6:00~AM1:00(金土はAM3:00)
電話☎66-63-5571 日曜定休