トム・ホランド版スパイダーマンの新作として登場した本作は、とにかく長い。上映時間が150分(2時間半!)もあり、ストーリー的にも2話分という印象だ。前作にあたる『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でドクター・ストレンジによって人々の記憶から消えることになったピーターは密かに孤独を抱え、さらにスーパーパワーの要因であるクモの遺伝子にも翻弄される。そこへ現れる強敵との戦い、というのが本作の物語だ。

本作は前半と後半で物語が反転する構造になっていて、ほとんど映画2本分の物語が詰まっている。特に後半で明らかになる事実には、今後の作品への期待感が煽られる。

ディズニーとソニーが揉めたことで、MCU(いわゆるアベンジャーズのシリーズ)とスパイダーマンの関係がややこしいことになっており、離脱説も濃厚になっているため、本作のストーリーがMCUへの合流を示唆するかどうかが注目されるわけだが、可能性を残したまま、それほどはっきりはしなかった、というのが実際のところである。

ひとまず、スパイダーマンのファンはもちろん、MCUを追いかけている人もこの作品はフラットな視点で刮目すべし。(映画ライター・ケン坊)

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この記事には映画のネタバレが少々含まれているので、まだ映画を見ていない人はその点をご承知おきの上で読んでください。

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スパイダーマン=ピーター・パーカーという事実が人々の記憶から消え去った後の世界。ノー・ウェイ・ホームの直接の続きを描いた作品であるが、本作にはドクター・ストレンジは登場しない。

本作の前半は、未知のヴィランとの戦いが描かれる。人に憑依しながら迫りくる敵は、当初は他人に憑依した状態で現れるため、姿が見えない。中盤あたりでこの敵が女性であることが判明し、その特殊能力を無効化することで捕らえることに成功する。ここで一旦大団円のように見えるわけだが、実はここまでは前置きである。やはり上映時間が少々長すぎるだろう。一本の映画で見せるには多すぎる内容なので、前半をもう少しあっさり描いても良かったような気がする。

前半のバトルの終盤でようやくヴィランの名前が判明するのだが、その名前がなんとジーン・グレイ。X-MENが誇るサイキックミュータントと同じ名前だ。後半では彼女の姉がサラという名前であることも判明し、スパイダーマンの原作に登場し、X-MENにも登場したジーンであろうと想像される。

MCU作品(いわゆるアベンジャーズシリーズ)にはこれまでX-MENは登場していなかったのだが、次回作『ドゥームズデイ』にようやく本格的に合流することがすでに明らかになっている。

こうなってくると、ジーン・グレイを鍵としてスパイダーマンも改めて合流するという流れをどうしても期待してしまうところではある。いろいろな大人の事情もあるだろうが、アベンジャーズは文字通りドリーム・チームなので、いろんなしがらみを引っ込めて実現してほしいところではある。