
創業52年。町寿司として親しまれてきた店で育ち、背中で語る父に憧れて寿司職人を志したのは中学生のころ。二代目店主・小西祐也さんは、「店と、母や祖母の家庭の味こそ自分の味覚の原点」と語ります。
おいしいものが好きで、客から聞いた店にはすぐ足を運びます。和洋問わず皿の美しさや店の空気を味わい、どう自分の仕事に生かすかを探る。「お客さんにはいつも小さな驚きや感動を届けたい」。その思いが、学び続ける姿勢につながっています。
食材は北海道近海に限らず、全国の良いものを取り寄せています。九州の魚、東京経由のマグロなど、そのとき最良の状態で届くルートを見極めます。ねぎを使って、にんにくのような風味を控えめに立たせる薬味、醤油漬けや飾り包丁といった江戸前の技法、数種の赤酢を合わせたシャリ。温度や固さを席ごとに調整する細やかさまで、すべては目の前の一貫を最もおいしく届けるための仕事です。
関西では好まれないニシンも、小骨を丁寧に処理して握ると「こんなにおいしいなんて」と驚かれます。オホーツクのニシンは力強く脂がのり、新子なら噴火湾のものが柔らかく繊細。そんな海ごとの個性を読み取り、旭川という北海道の中心に四季の味わいを運び込みます。