
あたご動物園通りに面した建物の1階、かわいらしいイラストのタペストリーが目を引きます。道産食材を惜しみなく使い、低温長時間発酵で粉の味を丁寧に引き出す、人気のパン屋さんです。
鷹栖町生まれ、旭川育ちの白木さんは、事務職やアパレル業、セラピストなどを経て、妊娠を機にパン作りに没頭。一時期は夫の転勤先だった東京でも専門の教室に通い、技術を磨きました。
全国の食材が集まる東京で数多くの素材に触れ、食べ比べを重ねた末に実感したのは、故郷・北海道の食材が持つ底力でした。「地元の人が地元のものを食べる。それが一番おいしく味わえるということに、改めて気付きました」。
その思いが、現在のパン作りの原点となり、小麦や牛乳、砂糖に至るまで、いまお店で使う素材のほとんどは北海道産です。かつてセラピストとして人を支えてきた白木さんにとって、パンもまた、形を変えた癒やしの表現。心と体に優しい素材を選び抜き、真摯に向き合う手から生まれるその味は、食べた瞬間に肩の力がふっと抜けるような優しさに満ちています。
「おいしいパンをたくさん作って、皆さんがほっと一息つける存在になれたら嬉しいです」と白木さん。焼き立ての香りと共に、今日も街に笑顔と元気を届けています。