幾多の挫折を越え 息づく和食料理人の情熱

外崎 信夫さん

旭川市内の専門学校でも、すしの講師として20年以上活躍し、数々の料理人を育ててきました。30歳を超えてから始めた空手は、58歳となった今でも現役。料理に対しても礼を重んじる姿が印象的です
旭川市内の専門学校でも、すしの講師として20年以上活躍し、数々の料理人を育ててきました。30歳を超えてから始めた空手は、58歳となった今でも現役。料理に対しても礼を重んじる姿が印象的です

高校中退後、砂川から16歳で単身旭川へ。親のはからいでさんろくの割烹料理店で働き始めましたが、雑用と罵声の毎日に、半年で辞めてしまいます。無力感を覚えながらも、天ぷら店や居酒屋でひそかに腕を磨き続けました。

そうした中、勤めたすし屋で転機が訪れます。そこはすしの技能コンクールで数多くの優勝者を輩出する店で、親方はもちろん、ひとつ上の先輩とさえ技術に雲泥の差がありました。追いつきたい一心で、夜な夜な大根のツマを切り、おからとこんにゃくで握りの練習を続けました。そしてついに努力が実ってコンクールで優勝。さらに難関のすし料理専門調理師の資格も取得しました。「不器用だから、指紋がなくなるまで練習したよ」と振り返ります。

その後33歳で構えた店は火事により焼失。受け継いだレシピも失いました。「料理を学ぶことは、先人の歴史を受け継ぐこと」。失ったものの大きさに絶望し、料理への情熱すら薄れかけましたが、知人の依頼でラーメン店「是々非々」をオープン。和食の技術で作る味にファンも多く、今年15年目を迎えます。「節目の年、親方にまた和食の料理人としての姿を見せたい。近く、天ぷらメインの定食を始めるよ」。遠回りも挫折も力に変え、職人としての情熱が今も心に息づいています。

店舗情報

らーめん是々非々
旭川市末広東1条11丁目1-5
090-5078-4006
11:00〜20:00(水曜は~14:00)
不定休

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