旭川市中央図書館2階ギャラリーで、市内在住のプロカメラマン・渡辺肇之(としゆき)さんの写真展「一遇の景」を開いています。白と黒の濃淡で表された30点は、10年ほど前から撮り溜めた道北の情景です。

学生時代は絵が好きでしたが「ロダンの石膏像を描いたつもりが餅に見えるほどへただった」ために、ファインダーを覗くだけで理想の世界に出合えるカメラを持つように。心を動かすあるがままの一瞬を捉えたいと、仕事で立ち寄る町々で撮影地を求めています。

渡辺さんの作品は決して美しいだけではありません。海岸に寄り添う一対の石が作る砂紋、池中に根を霞ませる立ち枯れの木々、波打つ海面は散る陽光で無造作に影を作り、雪原の笹は風になびく―。どこかほの暗く不安を誘うショットもありますが、無彩色の画面は被写体そのものの存在を強く意識させます。

「盛りや映えが流行りですが、それは本物じゃないと思う。ぼくは引き算の写真が好き。本を読むように余白を味わってもらえたら」と渡辺さん。2月27日(火)まで、月曜休館。問い合わせは中央図書館(電話0166・22・4174)へ。