
人々の動き、空間の匂い、営みが作るざわめき―モノクローム写真の繊細な陰影から、この街の姿が生き生きと立ち上ってくるようです。旭川市を中心に活動している写真家・森脇啓好さんが、11月2日(土)から博物館で写真展「時を超えて 私の旭川」を開きます。
1949年に士別市に生まれた森脇さんは、79年に本格的に写真を始めてから現在まで北国の風土と生活をテーマにドキュメントフォトを撮影し続けています。今回の作品展は、そうしたテーマとは別に40年に渡って撮りためた、折々のなにげない一瞬で構成されています。膨大なネガフィルムの端々に存在するひとコマを丁寧に拾い出し、2年以上をかけて200枚にも及ぶ写真パネルを作成しました。
日常の一瞬を切り取ることは言うほど容易くありませんが、森脇さんの作品では誰もが気取りのない普段の表情を見せています。撮影者として確かに認識されながら、誰にも意識されることなく存在できることこそ森脇さんの真骨頂。師走の銀座通り商店街の賑わい、旭川競馬場の一幕、買物公園のデパート群を望む神楽の農地を耕す夫婦など、展示作品からは少しずつ変化する街並みとそこに暮らす人々が織りなす、素のままの旭川が読み取れます。
展示は来年1月13日(月)まで。土日祝は在廊。12月14日(土)午後1時半からは作者本人による写真解説を行います。問い合わせは旭川市博物館(電話0166・69・2004)へ。また展示作品は、先日発行された写真集「時を超えて 私の旭川1977~2016」(B5版154ページ2500円)にも収蔵。江口日曜堂(旭川市6条通8丁目、電話0166・23・3989)で販売しています。
